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神の福音のために

説教要旨( 9月26日 朝礼拝 )
イザヤ書 第61章5~9節
ローマの信徒への手紙 第15章14~21節
倉橋康夫

 パウロは、<(私の)兄弟たちよ>、と親しみを込めて呼びかけ、<あなたがた自身は善意に満ち、あらゆる知識で満たされ、互いに戒め合うことができると、>確信しています、と言います。善意とは、「神の意志と恵みに応じていること」、であり、あらゆる知識とは、「神の救いのみ業に対する深い霊的認識・洞察」です。従って、善意についても、知識にしても、単なる道徳的状況や知的状況のことではなく、教会の霊的状況を指しています。つまり、神の救いのみ業に堅く結ばれているので、あなたがたは<互いに戒め合うことができる>、と言うのです。
 そこで、パウロは、実はこの手紙で、かなり思い切って書いた部分がある、と打ち明け、その目的・ねらいは、<記憶を新たにしてもらう>ことであった、と言います。記憶を新たにするとは、主キリストとの出会い、主キリストへの信仰を思い起こし、新しくすることです。パウロの願いは、ローマの教会の信徒たちにも、主キリストへの信仰を改めて示すこと、はっきりさせることでした。そのために、これだけの長い手紙を書いたのです。
 そして、<それは、わたしが神から恵みをいただいて、異邦人のためにキリスト・イエスに仕える者となり、神の福音のために祭司の役を務めているからです。>、と言います。パウロが異邦人への伝道者として活動することになったのは、言わば強いられた恩寵によるものでした。同胞であるユダヤ人の救いを強く願い、キリストの福音を拒否するユダヤ人の有様に心を痛めながらも、パウロは異邦人への福音伝道に力を注ぐことになったのです。
 パウロは自分を<異邦人のためにキリスト・イエスに仕える者>、と言い、<神の福音のために祭司の役を務めている>、と言います。祭司の役とは、元来、「いけにえの供え物をする」という意味です。そこで、そのことを、<異邦人が・・・神に喜ばれる供え物となるために>、と言います。<自分の体を神に喜ばれる聖なる生けるいけにえとして献げなさい。>(12 : 1b)との勧めは、キリスト者の幸いな歩みのことでした。神を礼拝する者として、日々生かされる・<聖なる生けるいけにえとして献げ>る、そこに信仰者の慰め、喜びがある、と言ったのです。この幸いな生活に、異邦人も招かれている、<神に喜ばれる供え物となる>ことができる、と言うのです。
 併せて読んだ、イザヤ書 第61章 5 ~ 9節は、異邦人からも受け入れられ、異邦人から好意を受ける<あなたたち>についての預言です。ここでは、神に選ばれた民を意味しますが、ロマ書の文脈に沿って言うなら、神に選ばれて福音を伝える者たちのことです。その人々は<主の祭司と呼ばれ/わたしたちの神に仕える者とされ>る、と言います。そして、<これこそ、主の祝福を受けた一族である>と認められる、と言います。神の福音を伝える者たちは、広く全ての人々に受け入れられ、認められるようになる、と言うのです。
 ユダヤ人もギリシア人もない、奴隷も自由人もない、男も女もない(ガラ 3 : 28)と言って、伝道活動を展開するパウロです。その働きの全ては、神の福音のためのものだ、と言います。神の福音は、全ての人間を射程に入れております。私たちも、この福音に捉えられ、その救いに入れられました。全てのキリスト者は、神に喜ばれる供え物となったのです。私たちもまた、「神の福音のために」、夫々の役割が与えられています。それは、救われた者として喜ばしく生きることに他なりません。そのような生き方が、自ずと福音を証しし、福音の伝道となります。1人にでも、神の福音を伝えるなら、祭司の役を果たしたことになります。夫々の場において、「神の福音のために」証し人としての歩みを進めて参りましょう。
 

説教一覧(2010年度)

2010.04.04
あの方は復活された
2010.04.11
近くにおられる神
2010.04.18
偽りのない愛
2010.04.25
祝福を祈る
2010.05.02
すべての人と平和に
2010.05.09
子や孫たちにも教えなさい
2010.05.16
復讐からの解放
2010.05.23
聖霊の証印を受けて
2010.05.30
寄留者
2010.06.06
良心に従って
2010.06.13
愛は律法を全うする
2010.06.20
神の子イエス
2010.06.27
今はどんな時か
2010.07.04
主キリストを身にまとう
2010.07.11
あなたは神に出会う
2010.07.18
あなたは何者か
2010.07.25
我らは主のもの
2010.08.01
愛に従って歩む
2010.08.08
神の国は義と平和と喜び
2010.08.15
主こそ神、ほかに神はいない
2010.08.22
神のみ前における確信
2010.08.29
生ける希望
2010.09.05
忍耐と慰め
2010.09.12
逃れて、生き延びる
2010.09.19
望みの源なる神
2010.09.26
神の福音のために
2010.10.03
我らの誇り
2010.10.10
親子
2010.10.17
主が結ぶ契約
2010.10.24
主キリストの祝福を携えて
2010.10.31
過越の小羊
2010.11.07
天の財産を受け継ぐ
2010.11.14
十戒
2010.11.21
自分自身を知る
2010.11.28
平和の源なる神
2010.12.05
主にあって よろしく
2010.12.12
大いなる栄光
2010.12.19
メシアはどこに
2010.12.26
教会から教会へ
2011.01.02
善にさとく、悪には疎く
2011.01.09
栄光が唯一の神に
2011.01.16
あなたの心に留め、語り聞かせる
2011.01.23
初めに言があった
2011.01.30
味わい、見よ、主の恵み深さを
2011.02.06
光の証人
2011.02.13
試みと誘惑
2011.02.20
神によって生まれる
2011.02.27
独り子なる神
2011.03.06
主の道をまっすぐにせよとの声
2011.03.13
神の宝―選ばれた者たち
2011.03.20
この方こそ神の子
2011.03.27
何を求めているのか