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主キリストの祝福を携えて

説教要旨(10月24日 朝礼拝 )
創世記 第12章 1~3節
ローマの信徒への手紙 第15章22~29節
倉橋康夫

 パウロは、ローマ訪問を強く望みながら、実現しませんでした。そのことをパウロは、<妨げられて>できなかった、と言います。それは、神がそれをお許しにならなかった、ということです。(使徒 16 : 6 以下参照)ところが、パウロは<もうこの地方に働く場所がなく>、と言います。実に大胆な表現ですが、パウロは、この地方での自分の果たすべき責任は終えた、と感じていたのです。
 そこで、パウロは、次に展開すべき伝道の幻を抱くのです。それは、イスパニアへの伝道です。イスパニアは、今のスペインですから、当時の感覚では、地の果てと思われていた地域です。パウロの伝道への熱意・熱心は、このように全世界を視野に入れて燃えておりました。しかし、パウロは、福音伝道は個人プレーではなく、教会の業であることを弁えていました。そこで、イスパニアへの伝道活動にローマの教会が参加して欲しい、と願います。
 パウロは、<何年も前からあなたがたのところに行きたいと切望していたので>、<まず、しばらくの間でも、あなたがたと共にいる喜びを味わって>から、イスパニア伝道へと赴きたい、と言います。パウロは、<送り出してもらいたい>、と言います。「あなたがたによって送り出されることを欲する」、と言うのです。
 ところがその前に、<聖なる者たちに仕えるためにエルサレムに行きます>、と言います。聖なる者とは、ここではエルサレム教会の人々のことです。そして、<仕える>とは、集めた献金を届けることです。<マケドニア州とアカイア州>の教会からの援助募金の成果を届けるのです。この「援助」とは、交わりという字です。エルサレム教会と異邦人教会との交わりの証しです。また、この「援助」とは、「同じものに与ること」をも意味します。従って、援助をするとは、共に交わり、同じ福音に与ることです。エルサレム教会から伝えられた福音・霊的なものに共に与りつつ、異邦人教会がエルサレム教会に、援助の手を差し伸べるのです。パウロは異邦人教会からの使者として、集まった献金・<募金の成果>を、エルサレム教会へ<確実に手渡し>たい、と思っているのです。
 この責任を果たしてから、ローマを通って、イスパニアへと向かい、<そのときには、キリストの祝福をあふれるほど持って、あなたがたのところに行くことになると思っています>、と言います。<思っています>とは、「知る、見る」という意味です。<キリストの祝福をあふれるほど持って>行く、ということは確実なことです。既に知っていること、見ていることと言って良いのです。「キリストの祝福の充満の中で」(直訳)行く、というのです。
 ところで、「キリストの祝福」とは、元をただせば、主なる神がアブラハムに約束された「祝福」に端を発しているものである、と言うことができます。併せて読んだ創世記 第12章において、主なる神は、アブラハムに「あなたは全世界の祝福の源になる」と約束をされました。この約束が、主イエス・キリストに至って、果たされることになったのです。このように、神の祝福を考える時に、私たちはいつもアブラハムへの約束を思い起こすことができます。旧約聖書との繋がりを思い起こすべきです。
 パウロは、主キリストの祝福が自分をすっぽりと包み込んでいる、そのような中で、<あなたがたのところに>行く、と言います。主キリストの祝福に包まれているとは、パウロ自身の実感でした。私たちもまた同様です。主キリストの祝福に入れられた者として、「主キリストの祝福を携えて」生きる者です。それは、私たちの全てを献げて、神の福音を伝える歩みであり、人々を主キリストの祝福へと招くことに他なりません。
 

説教一覧(2010年度)

2010.04.04
あの方は復活された
2010.04.11
近くにおられる神
2010.04.18
偽りのない愛
2010.04.25
祝福を祈る
2010.05.02
すべての人と平和に
2010.05.09
子や孫たちにも教えなさい
2010.05.16
復讐からの解放
2010.05.23
聖霊の証印を受けて
2010.05.30
寄留者
2010.06.06
良心に従って
2010.06.13
愛は律法を全うする
2010.06.20
神の子イエス
2010.06.27
今はどんな時か
2010.07.04
主キリストを身にまとう
2010.07.11
あなたは神に出会う
2010.07.18
あなたは何者か
2010.07.25
我らは主のもの
2010.08.01
愛に従って歩む
2010.08.08
神の国は義と平和と喜び
2010.08.15
主こそ神、ほかに神はいない
2010.08.22
神のみ前における確信
2010.08.29
生ける希望
2010.09.05
忍耐と慰め
2010.09.12
逃れて、生き延びる
2010.09.19
望みの源なる神
2010.09.26
神の福音のために
2010.10.03
我らの誇り
2010.10.10
親子
2010.10.17
主が結ぶ契約
2010.10.24
主キリストの祝福を携えて
2010.10.31
過越の小羊
2010.11.07
天の財産を受け継ぐ
2010.11.14
十戒
2010.11.21
自分自身を知る
2010.11.28
平和の源なる神
2010.12.05
主にあって よろしく
2010.12.12
大いなる栄光
2010.12.19
メシアはどこに
2010.12.26
教会から教会へ
2011.01.02
善にさとく、悪には疎く
2011.01.09
栄光が唯一の神に
2011.01.16
あなたの心に留め、語り聞かせる
2011.01.23
初めに言があった
2011.01.30
味わい、見よ、主の恵み深さを
2011.02.06
光の証人
2011.02.13
試みと誘惑
2011.02.20
神によって生まれる
2011.02.27
独り子なる神
2011.03.06
主の道をまっすぐにせよとの声
2011.03.13
神の宝―選ばれた者たち
2011.03.20
この方こそ神の子
2011.03.27
何を求めているのか