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初めに言があった

説教要旨( 1月23日 朝礼拝 )
創世記 第 1章 1~5節
ヨハネによる福音書 第 1章 1~5節
倉橋康夫

 本日から,ヨハネによる福音書の連続講解説教に入ります。今回は、第1章1 ~ 18節が、序文・プロローグの部分ですが、その最初の5節分を扱います。
 <初めに言があった>、と始まっています。プロテスタント側の最初の翻訳聖書である、ギュツラフ訳では「ハジマリニ カシコイモノゴザル」でありました。私たちは、創世記 第1章の冒頭に、<初めに、神は天地を創造された。>、と記されていることを知っています。ここから、私たちは、この世界が神によって始められたものであること、神との交わりの内に置かれているものであることを読み取り、慰めと望みを与えられます。
 しかし、今朝の個所においては、ものごとの開始についてではなく、全てのものの背後にあるもの、その根拠となるものについて語っています。それが「言(ことば)」であった、と言うのです。そして、直ぐにその言は<神と共にあった>と続けられます。そして、<言は神であった>と言います。これは神性をもつもの、神と同質であった、という意味です。前の文章は、「言」は神と共にあると言って、区別されるべきものとし、次の文章では、神であると言い、神と同質であると言うのです。
 そうすると、主イエス・キリストは、人間として、この地上の生活をされた、というだけではなく、永遠の初めから神であられた、ということです。主イエス・キリストは、死んで甦らされ、天に昇って、神となった、というのでないことを示しています。また、父なる神、子なる神、聖霊なる神の三位一体の神の内、子なる神は十字架に架かるための神なのでもありません。天地創造の神としておられ(コロサイ1 : 15~17)、その創造のみ業を完成するために、十字架の死を引き受けられ、復活させられた方なのです。
 3節に<すべてのものは、これによってできた。>とありますが、その内容はコロサイ書 第1章16節に重なります。<16 天にあるものも地にあるものも、見えるものも見えないものも、王座も主権も、支配も権威も,万物は御子において造られたからです。つまり、万物は御子によって、御子のために造られました。>、と。主キリストの救済のみ業は、創造のみ業と別のものではなく、創造の延長線上のことであり、また完成するためのものなのです。
 扨て、4節には、<言の内には命があった。命は人間を照らす光であった。>、と言われます。この<命>は、自然的生命ではなく、人間を生かす源・源泉のことです。人間・人を生かすとはどのようなことでしょうか。食物によって、人間の生命が維持されると同じように、神の言葉によって養われ、命が維持されると考えることもできるでしょう。しかし、人を生かす根源は、罪の赦しと深く関わることです。主イエスが言われた、<神の口からでる1つ1つの言葉で生きる>(マタイ4 : 4)とは、この消息を指しております。つまり、破壊された神との関係の回復です。神との関係が修復され・回復された時、人は初めて活き活きと生きることができるからです。
 そこで、この命は人間を照らす光であった、と言うのです。それは、人間の罪を照らし出す・暴き出すということです。それは、罪の赦しを齎すためです。だから、その意味で、「希望の光」です。<(そして)光は暗闇の中で輝いている。暗闇は光を理解しなかった。>、と言います。この<暗闇>とは、人間の罪の現実のことです。人間が、自分の暗闇を大事にしている限り、主キリストを理解することはできません。しかし、光はその暗闇の只中で輝きます。私たちの頑なな心を打ち砕くのです。「初めに言があった」 世界の歴史も、人間の存在も、この「言」によって意味を与えられ、救われるのです。
 

説教一覧(2010年度)

2010.04.04
あの方は復活された
2010.04.11
近くにおられる神
2010.04.18
偽りのない愛
2010.04.25
祝福を祈る
2010.05.02
すべての人と平和に
2010.05.09
子や孫たちにも教えなさい
2010.05.16
復讐からの解放
2010.05.23
聖霊の証印を受けて
2010.05.30
寄留者
2010.06.06
良心に従って
2010.06.13
愛は律法を全うする
2010.06.20
神の子イエス
2010.06.27
今はどんな時か
2010.07.04
主キリストを身にまとう
2010.07.11
あなたは神に出会う
2010.07.18
あなたは何者か
2010.07.25
我らは主のもの
2010.08.01
愛に従って歩む
2010.08.08
神の国は義と平和と喜び
2010.08.15
主こそ神、ほかに神はいない
2010.08.22
神のみ前における確信
2010.08.29
生ける希望
2010.09.05
忍耐と慰め
2010.09.12
逃れて、生き延びる
2010.09.19
望みの源なる神
2010.09.26
神の福音のために
2010.10.03
我らの誇り
2010.10.10
親子
2010.10.17
主が結ぶ契約
2010.10.24
主キリストの祝福を携えて
2010.10.31
過越の小羊
2010.11.07
天の財産を受け継ぐ
2010.11.14
十戒
2010.11.21
自分自身を知る
2010.11.28
平和の源なる神
2010.12.05
主にあって よろしく
2010.12.12
大いなる栄光
2010.12.19
メシアはどこに
2010.12.26
教会から教会へ
2011.01.02
善にさとく、悪には疎く
2011.01.09
栄光が唯一の神に
2011.01.16
あなたの心に留め、語り聞かせる
2011.01.23
初めに言があった
2011.01.30
味わい、見よ、主の恵み深さを
2011.02.06
光の証人
2011.02.13
試みと誘惑
2011.02.20
神によって生まれる
2011.02.27
独り子なる神
2011.03.06
主の道をまっすぐにせよとの声
2011.03.13
神の宝―選ばれた者たち
2011.03.20
この方こそ神の子
2011.03.27
何を求めているのか