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試みを受けられた主

説教要旨(8月21日 朝礼拝 )
出エジプト記 第17章1-7節
マルコによる福音書 第 1章12-13節
佐藤智子

 イエスさまは、洗礼を受けられた後、すぐさま、霊によって、荒れ野へと連れて行かれました。荒れ野でイエスさまを待ち構えていたのは、神に敵対する諸力であるサタンでした。イエスさまは、その荒れ野に40日間とどまられ、神に敵対するサタンから誘惑を受けられました。このことは「あなたはわたしの愛する子、わたしの心に適う者」という神からの呼びかけと、救い主の働きへの召命を受けられた直後に、起こったこととして伝えられています。
 旧約聖書出エジプト記第17章1節から7節には、神によって荒れ野へと連れて行かれたイスラエルの民のことが記されています。主の命令によって、旅程を進み、水を求めてレフィディムというところに着いた時のことが記されていました。求めていた飲み水が、そこにはなかったです。イスラエルの民は、神が指導者として用いておられたモーセに、「飲み水を与えよ」と詰め寄ります。
 「宝の民」と呼び、愛しておられたイスラエルの民を、神はなぜ、食物や飲み水が不足するような荒れ野を、歩ませたのか。それは、イスラエルの民が、神の民として、神を信じ歩むことができるようにという、いわば訓練だったわけです。神はイスラエルの民を、エジプトの追っ手から守るために、海の中に道を作り、そこを歩ませられました。イスラエルの民が歩む道を、昼は雲の柱、夜は火の柱をもって照らし続け、導き続けてこられました。必要なものを、備えてこられました。民が、神の民として幸いのうちに歩み続けることができるようにと、荒れ野を旅する中で、神は律法を与えておられます。すべては、愛するご自分の民のために。神は恵みをもって、イスラエルの民を囲み、試みをも備えてこられたのでした。
 しかし、イスラエルの民は、「果たして、主は我々の間におられるのかどうか」と言って、モーセと争い、主を試したのです。具体的に、神が自分たちの間におられることを、実証しようとしました。これは神を操ろうとしていることにほかなりません。神を主とするのではなくて、自分を主とし、神を動かそうとするのです。神を試みてしまう。これこそ、神に敵対する力であるサタンが望むことであり、私たちに対しても試みようとすることです。
 神が私たちを荒れ野へと導くとき、それは、神が私たちと共にいることを望まれ、かつてイスラエルの民が経験したように、ご自分のことを力ある御業によって、示し、救い出し、導くためであり、私たちが真実な信仰をもって、神と共に歩む者となることを神が望まれてのことであります。そのために、まずは、愛するイエスさまを、荒れ野へと神は導かれました。イエスさまを、私たちの歩みの先頭においてくださったのです。
 イエスさまが向かわれるのは、「本当に神の子なのか」と疑われ、虐げられる十字架でした。そこで、イエスさまは、神に見捨てられた者、神に呪われた者となって、罪の死を死んでくださったのです。その死からの復活は、私たちに神の子としての新しい命を与えられるためでした。私たちが歩み道は、呪いの道をではなくて、祝福された、神の子として、神が備えられた道を歩んでいるのです。荒れ野での日々も、神が備えられた祝福が伴なう、神が共に歩まれる道なのです。
 荒れ野を歩まれた主、試みを受けられた主が、私たちと共におられます。神に敵対する力に、対抗できるように、神の子として祝福された命を生きることができるように、今私たちの先頭に立ち、私たちと共に歩んでくださるのです。恐れることなく、歩みを進めたいと思います。私たちには試みを受けられた主がおられるのですから。
 

説教一覧(2011年度)

2011.04.03
わたしに従いなさい
2011.04.10
隅の親石
2011.04.17
ぶどう酒になった水
2011.04.24
驚くべき主の御業
2011.05.01
新しき神の家
2011.05.08
神を畏れ、王を敬え
2011.05.15
水と霊とによって生まれる
2011.05.22
永遠の命と裁き
2011.05.29
はじまり
2011.06.05
あの方は栄え、わたしは衰える
2011.06.12
一同は聖霊に満たされ
2011.06.19
神をほめたたえる幸い
2011.06.26
永遠の命に至る水
2011.07.03
まことの礼拝
2011.07.10
その傷によって、あなたがたは癒された
2011.07.17
神の備え給う道
2011.07.24
み言葉を信じて
2011.07.31
あなたはわたしの愛する子
2011.08.07
命の恵みを共に受け継ぐ
2011.08.14
主イエスに力を与えられ
2011.08.21
試みを受けられた主
2011.08.28
神と等しい方
2011.09.04
今やその時
2011.09.11
祝福を受け継ぐ
2011.09.18
主イエスについての証し
2011.09.25
神からの誉れ
2011.10.02
命のパンのしるし
2011.10.09
父である神をたたえる
2011.10.16
わたしだ。恐れることはない。
2011.10.23
苦難と希望
2011.10.30
信じる
2011.11.06
天への凱旋
2011.11.13
キリストの勝利
2011.11.20
短い信仰告白
2011.11.27
朽ちない食物
2011.12.04
主イエスのもとへ
2011.12.11
かつてと今
2011.12.18
主イエスによって生きる
2011.12.25
飼い葉桶の乳飲み子
2012.01.01
去るか留まるか
2012.01.08
神の恵みの善い管理者
2012.01.15
時を支配し給う神
2012.01.22
わたしについて来なさい
2012.01.29
主の真実によって
2012.02.05
主キリストは神の御許から
2012.02.12
勝利を約束されている苦難
2012.02.19
主イエスの行かれる所
2012.02.26
生ける信仰
2012.03.04
主イエスへの態度決定