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祝福を受け継ぐ

説教要旨( 9月 11日 朝礼拝)
創世記 第12章1~3節
ペトロの手紙一 第3章8~12節
上田容功

 ペトロの手紙は、これまでの勧めを纏めるかのようにして、「終わりに」と語り出します。「終わりに、皆心を一つに、同情し合い、兄弟を愛し、憐れみ深く、謙虚になりなさい」。すべての教会員に対して信仰者としての生き方を示します。同時に、信仰者がどのような人たちかということも告げるのです。「祝福を受け継ぐためにあなたがたは召されたのです」(9節)。私たちが受け継ぐ祝福とは、「天に蓄えられている、朽ちず、汚れず、しぼまない財産」(1:4)です。終りの日に与えられる永遠の命です。
 創世記第1章では、神は造られたものを御覧になられ、「それは極めて良かった」と祝福されます。神に祝福されているとは、神の大いなる「然り」の内に置かれているということです。神が私たちを大切な存在として受け容れてくださっている、ということです。罪による暗闇の中で身動きがとれない私たちに、祝福の言葉を宣言されます。御子を十字架の死に引き渡してまでも神は私たちを大切な存在として愛し抜いてくださった、これこそが神の祝福です。
 創世記第12章1~3節には、神がアブラハムを選び、祝福を与えたことが記されています。「わたしはあなたを大いなる国民にし/あなたを祝福し、あなたの名を高める/祝福の源となるように。・・・地上の氏族はすべて/あなたによって祝福に入る」。アブラハムを通してすべての者に祝福が与えられるという神の約束が、十字架の上で、神の御子が「呪い」を負われることによって実現したのです。
 8節と9節において、神の祝福の内に生かされている者の本来の姿が描き出されています。「終わりに、皆心を一つにし、同情し合い、兄弟を愛し、憐れみ深く、謙虚になりなさい」。「兄弟を愛し」と勧められているように、教会の中で、信仰者が互いに愛し合うことが求められています。さらに9節では次のように勧められています。「悪をもって悪に、侮辱をもって侮辱に報いてはなりません。かえって祝福を祈りなさい」。ペトロの手紙の受取人は、信仰に生かされる故に、周囲の人々から中傷を浴びせられていた人たちです。そのような人たちに対して、自分を侮辱する人に侮辱をもって報いるのではなく、かえって祝福を祈りなさい、という勧めを語るのです。
 マタイによる福音書の「山上の説教」の中に次のような主のお言葉が記されています。「敵を愛し、自分を迫害する者のために祈りなさい」。ペトロの手紙の言葉、主イエスのお言葉は、私たちには非現実的に感じられます。なぜなら悪口を浴びせられたときの私たちの自然な反応は復讐ではないかと思うからです。しかし、悪をもって悪に応えることによって、さらなる悪が生みだされ、憎しみがエスカレートしていくのではないでしょうか。悪によって悪は克服されないのです。十字架の上で、悪に悪をもって返さず、最後まで沈黙を貫き通し、人々のあざけりを受けられた主のお姿が、第2章23~24節に描き出されています。「ののしられてもののしり返さず、苦しめられても人を脅さず、正しくお裁きになる方にお任せになりました。そして、十字架にかかって、自らその身にわたしたちの罪を担ってくださいました」。悪の連鎖を断ち切るために、主は十字架の上で呪いをご自身の身に受けられました。呪いを祝福に変えるもの、それが主の十字架の恵みです。
 ペトロの手紙は、「あなたがたは選ばれた民、王の系統を引く祭司、聖なる国民、神のものとなった民です」(2:9)と語ります。イスラエルの民の祭司が神の祝福を祈ったように、王の系統を引く祭司とされた私たちは、神の祝福を祈るという聖なる務めへと召されています。礼拝での祝福の祈りにおいて、神の大いなる「然り」が宣言され、神の祝福に守られ、この世へと遣わされるのです。
 

説教一覧(2011年度)

2011.04.03
わたしに従いなさい
2011.04.10
隅の親石
2011.04.17
ぶどう酒になった水
2011.04.24
驚くべき主の御業
2011.05.01
新しき神の家
2011.05.08
神を畏れ、王を敬え
2011.05.15
水と霊とによって生まれる
2011.05.22
永遠の命と裁き
2011.05.29
はじまり
2011.06.05
あの方は栄え、わたしは衰える
2011.06.12
一同は聖霊に満たされ
2011.06.19
神をほめたたえる幸い
2011.06.26
永遠の命に至る水
2011.07.03
まことの礼拝
2011.07.10
その傷によって、あなたがたは癒された
2011.07.17
神の備え給う道
2011.07.24
み言葉を信じて
2011.07.31
あなたはわたしの愛する子
2011.08.07
命の恵みを共に受け継ぐ
2011.08.14
主イエスに力を与えられ
2011.08.21
試みを受けられた主
2011.08.28
神と等しい方
2011.09.04
今やその時
2011.09.11
祝福を受け継ぐ
2011.09.18
主イエスについての証し
2011.09.25
神からの誉れ
2011.10.02
命のパンのしるし
2011.10.09
父である神をたたえる
2011.10.16
わたしだ。恐れることはない。
2011.10.23
苦難と希望
2011.10.30
信じる
2011.11.06
天への凱旋
2011.11.13
キリストの勝利
2011.11.20
短い信仰告白
2011.11.27
朽ちない食物
2011.12.04
主イエスのもとへ
2011.12.11
かつてと今
2011.12.18
主イエスによって生きる
2011.12.25
飼い葉桶の乳飲み子
2012.01.01
去るか留まるか
2012.01.08
神の恵みの善い管理者
2012.01.15
時を支配し給う神
2012.01.22
わたしについて来なさい
2012.01.29
主の真実によって
2012.02.05
主キリストは神の御許から
2012.02.12
勝利を約束されている苦難
2012.02.19
主イエスの行かれる所
2012.02.26
生ける信仰
2012.03.04
主イエスへの態度決定