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歌え、神の国の歌を

説教要旨(3月1日朝礼拝より)
ルカによる福音書 7:24-31
牧師 藤盛勇紀

 「あなたがたは何を見に荒れ野へ行ったのか」。主イエスは、洗礼者ヨハネのことをどう受け止めるのか問うておられます。ヨハネは救い主の先駆け、道備えをする者として生まれました。だから洗礼者ヨハネの登場と主イエスの登場とは、切り離すことができません。しかし、それをこの世はいったいどう受け止めたのか。
 主イエスは言われました。「笛を吹いたのに、踊ってくれなかった。葬式の歌をうたったのに、泣いてくれなかった」。「笛を吹いた」。これは子供の結婚式ごっこ。でも誰も一緒にやってくれなかった。それで今度は、禁じられた遊びではないが、お葬式ごっこをしようと誘った。それでも、誰も相手にしてくれなかった。
 主イエスも洗礼者ヨハネも、神の喜びを歌ったのに誰も共に喜んでくれなかった、神の悲しみも告げたのに、一緒に悲しむ者は誰もいなかった、というのです。
 人は喜ぶ時に歌い、悲しい時に歌います。私たちは礼拝でも歌います。どんな歌を、どう歌っているのでしょうか。主が私たちに願っておられることは、神の喜びと悲しみ、そして神のお働きに応えて、私たちの身も魂も合わせていくことです。
 ところが、なかなかそれができない。それは、神の御心に応えることより、自分の心を中心にしているからではないでしょうか。自分のいいように歌う自己中心。気持ちよく歌って自己満足。神の御心に対するおかしな転倒、ひっくり返った姿です。
 その姿は、こう現れます、「洗礼者ヨハネが来て、パンも食べずぶどう酒も飲まずにいると、あなたがたは、『あれは悪霊に取りつかれている』と言い、人の子が来て、飲み食いすると、『見ろ、大食漢で大酒飲みだ。徴税人や罪人の仲間だ』と言う」。
 ヨハネは人間の罪を指摘し、神の怒りと悲しみを伝えた。すると人々は、「あれは悪霊にとりつかれている」と言う。続いて主イエスが来られ、罪人と呼ばれるような人々と交わり喜びの食卓を囲んだ。すると今度は、「見ろ、大食漢で大酒飲みだ。徴税人や罪人の仲間だ」と批判する。
 主イエスは、罪人が神に招かれ赦され、その交わりを喜んで生き始める神の国の喜びを、身をもって歌うように教えられたのです。ところが、この喜びを人々は受け入れない。神の国の喜びの歌を、共に歌うことができなかった。神が神として働かれ、その憐れみと恵みを示しておられるのに、それを認めず拒む。なぜでしょうか。
 神が神であられることよりも、まずは「自分」だからでしょう。神よりもまず自分。神の御心よりも、自分の心。神からの光よりも、自分が輝くこと。そのように、ねじれ、ひっくり返ってしまっている。だから神の国が来ているのに、分かろうともしない。すでに光が来ているのに、暗いのです。
 神の国とは神の支配、恵みの支配のことです。それが来ていると、主イエスは告げられました。「神の国に入る」という言い方をしますが、実は神の国の方が、私たちへと来ているのです。神の恵み、神の救いの方が、私たちへと到来する。それは、人間がひっくり返ってしまっているからです。
 救いは向こうからやって来る。それが神の知恵です。主イエスは言われます。「知恵の正しさは、それに従うすべての人によって証明される」と。
 主イエスが「神の国は近づいた」との言葉をもって、救いの恵みの到来を告げられた時から今日にいたるまで、主は生きて働いておられ、そしてその証しとして、私たち礼拝する群れ、神の民が存在するのです。その意味で、私たちは神の国の写しです。
 この神の国の到来、救いの到来の中に生きるようにと、主は願っておられ、今も生きて働き、歌い、告げ知らせてくださっています。私たちは、主と共に歌って、神の恵みを証しするのです。
 

説教一覧(2014年度)

2014.6.1
目を留めてくださる神
2014.6.8
地の果てに至るまで
2014.6.15
新しい喜び
2014.6.22
あなたを訪ねる王
2014.6.29
「できれば」と言うのか
2014.7.6
天使のメッセージ
2014.7.13
あなたはどこにいるのか
2014.7.20
今こそ、安らかに
2014.7.27
私のいるべき場所
2014.8.3
主の道を整えよ
2014.8.10
洗礼を受ける主
2014.8.17
主よ、しかし
2014.824
神に至る道
2014.8.31
誘惑と戦う武器
2014.9.7
実現する聖書の言葉
2014.9.14
実を結ぶ神の言葉
2014.9.21
力あるみ言葉
2014.9.28
町々を巡る主イエス
2014.10.5
み言葉が差し込む
2014.10.12
疲れた者に力を
2014.10.19
大胆に主に近づこう
2014.10.26
罪人を招く主
2014.11.2
もう泣かなくてよい
2014.11.9
右の手を取ってくださる主
2014.11.16
新しい喜び
2014.11.23
命に与る安息日
2014.11.30
主イエスの祈り
2014.12.7
幸いなるかな
2014.12.14
マリアの救い
2014.12.21
見よ、救いのしるしを
2014.12.28
地に届く天の光
2015.1.4
その方の星を見よ
2015.1.13
神の子とする霊
2015.1.18
心に逆らう愛
2015.1.25
主イエスを信じなさい
2015.2.1
土台の上に建てる
2015.2.8
痛みを伴う愛
2015.2.15
ただ一言に賭ける
2015.2.22
来たるべき方が来た
2015.3.1
歌え、神の国の歌を
2015.3.8
主イエスの言葉を思い出して
2015.03.15
安心して行きなさい
2015.3.22
主に仕える旅
2015.3.29
神の国の秘密