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新しい教会堂について(1)

 

新教会堂のコンセプト

 

新会堂建築委員会

 
 人々は教会堂の建物をとおしてその地に「キリストの教会」が建てられていることを知らされます。教会堂は神に献げられた建物であり、そこには神に招かれた人達が集い、礼拝を守り、洗礼と聖餐の聖礼典がとり行われます。教会ではキリストの福音がのべ伝えられ、そこに集う人達の喜ばしい時間と喜ばしい場があります。
 
 富士見町教会では毎週日曜日の朝、夕と火曜日のお昼休みに礼拝を守っています。礼拝では教会に集った人達が共に賛美歌を歌い、祈り、牧師のお話をお聞きします。礼拝のほかに、教会では祈祷会、志道者会(キリスト教入門講座)、教会学校(幼児から小学生、中学生・高校生の集り)、結婚式、葬儀式などがおこなわれています。
 
 新しい教会堂は飯田橋駅西口を出た左手にあり、急勾配の大きな屋根とその下にやや小さめの2つの屋根がつながった形をしています。大きな屋根の下には大礼拝堂が、小さな屋根の下には小礼拝堂が配置されています。それはこの建物が神を讃える礼拝や聖礼典を中心に構成されていることを表しています。九段方面から坂を下って来る人にも急勾配の屋根が目に入り、そこに新しい建造物があると感じられるでしょう。

 建物の外側にはこれといった装飾はなく、シンプルな形をしていますが、これはプロテスタント教会の特徴でもあります。このシンプルさは礼拝堂の内部とも関連していて、礼拝堂の中には聖像や聖画の類はありません。
 
 プロテスタント教会の礼拝堂には、礼拝に必要なものを備えていること、教会にそぐわないものを一掃すること、品位と必要性と清廉に要するものが配置されることなどが求められています※。富士見町教会の礼拝堂にあるのは説教壇、聖餐卓、洗礼盤、パイプオルガンと長めの椅子だけです。

 あまりの簡素さに驚かれるかもしれませんが、教会堂がその真価を発揮するのは日曜日に行われる礼拝においてです。日曜日は世俗から開放され、キリストの与えてくださる安息に憩う特別な日です。礼拝に出席することで新教会堂の良さを実感できるのではないかと思います。
 
 礼拝は教会の3階に設置されたパイプオルガンの前奏に始まり、司式者により導かれてゆきます。礼拝堂の形は講堂型(長方形)ではなく正方形の方が好ましいと言われていますが、限られた敷地に比較的多くの人が集まれるように講堂型となりました。講堂型にすると、礼拝の中心は入口から一番遠い奥の講壇にあるように錯覚されがちですが、中心はそこでのキリスト礼拝にあることを知っていただければと思います。

 教会堂の入口の周囲はガラス張りにし、教会堂の内部が見えるように、また通りがかりの人が入りやすいように作られています。1階にはエントランスホールがあり、古いオルガンや古い机と椅子が置かれています。日曜日の礼拝後にはオルガンを使っての合唱練習が行われ、机と椅子では教会員の会話が行われていることでしょう。
 
 小さな屋根の下にある小礼拝堂には古い説教壇、聖餐卓、オルガンが置かれています。これらは古い礼拝堂から受け継がれ、時代を経て大切に使い続けられてきたものです。

 富士見町教会は1886年に設立され127年目となります。現在の場所に教会堂が出来てから87年が経過しました。新しい教会堂は200年間使い続けることができる堅牢な設計で、想定される規模の地震に耐えるように作られます。
 
 皆様が富士見町教会を訪問する機会が与えられますようにお祈り申し上げます。
 
※プロテスタントの宗教建築 B.レモン著、黒岩俊介訳 教文館(2003年)