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まことの神であり、まことの人

説教要旨( 6月15日 朝礼拝・CSとの合同礼拝 )
フィリピの信徒への手紙 第 2章 6 ~ 11節
倉橋康夫

 今日の合同礼拝の説教題は、「まことの神であり、まことの人」です。「まことの神」とは、本当の神さまということで、「まことの人」とは、本当の人間ということです。本当に神さまであって、本当に人間であるって、誰のことでしょうか?教会学校の先生方の参考書の「明解カテキズム」に、次のようにあります。
 「第10問 地上に生きたイエスさまはただの人間だったのでしょうか。」
 「答 いいえ違います。イエスさまは、まことの人であると同時に、まことの神である方です。」
 この問答が指摘するのは、イエスさまが、本当に人間となられたのだけれども、本当の神さまでもある方なのだ、ということです。
 今日の聖書では、<キリストは、神の身分でありながら>、そのことに<固執しようとは思わず>、<人間と同じ者>になって下さった、とあります。ヨハネ福音書では、イエスさまのことを<父の独り子>(1 : 14)、と言っています。つまり、イエスさまは、父である神さまの独り子である、というのです。神さまとイエスさまは、父と子の関係にある、ということです。
 そのようなイエスさまがこの世界に来られたのは、今から2000年以上も前のことでした。イエスさまがこの世界に来られた日のことを私たちは、「クリスマス」と呼んでいます。そして、この神の独り子に「イエス」という名が付けられました。神さまの許で、独り子としておられた時は、「イエス」という名は、必要ありませんでした。天使がイエスさまの誕生の知らせを、ヨセフやマリアに告げた時、その男の子に「イエス」という名を付けなさい、と指示したからです。その際天使は、<この子は自分の民を罪から救うからである。>(マタイ1 : 21b)、と告げています。
 扨て、このように神の独り子が人間として来られたことを、今日の聖書は、<神の身分>でありながら、それに固執せずに、<人間と同じ者>になって下さった、と言います。神さまの許で、独り子として、楽しく幸せだったのに、どうしてイエスさまは<人間と同じ者>になって下さったのでしょうか。わざわざ、人間の世界に降りて来て、しかも人間として苦労することを選ばれたのでしょうか。そのことを、<人間の姿で現れ、へりくだって、死に至るまで、それも十字架の死に至るまで従順でした。>、と言います。つまり、イエスさまは、十字架で死ぬために、人間となって下さった、ということです。イエスさまが人間になって下さらなければ、十字架につくということもなかったのです。
 天使が男の子の誕生を告げ、「イエス」という名を付けるように指示した時、人間を罪から救うからだ、と言いました。「罪」とは、神さまに逆らうことで、神さまから見捨てられてしまう原因となります。神さまによって造られ、命を与えられた人間にとって、一番不幸で、悲しいことになってしまいます。だから、人間を罪から救うとは、神さまに赦してもらえるようにする、ということです。そのために、イエスさまは十字架で死んで下さいました。
 そして実は、このイエスさまの十字架は、父なる神さまご自身のご計画でもあったのです。だから、<従順でした>と言うのです。それは、父なる神さまのみ心に従った、ということです。<このため、神はキリストを高く上げ、あらゆる名にまさる名をお与えになりました。>(9節)、とあります。父なる神さまがイエスさまを復活させ、ご自分の許へと迎えて下さったこと、そして、最高の名前を与えて下さった、いうことです。それは、イエスさまこそ一番だ、と誰もが思うような名前のことです。「イエス・キリスト」という名は、イエスさまはキリスト(救い主・メシア)である、という意味なのです。「まことの神であり、まことの人」であるイエスさまが、私たちの救い主、神さまと一緒に生きることができるようにして下さったのです。
 

説教一覧(2008年度)

2008.04.06
不信心な者を義とする方
2008.04.13
わたしの食べ物
2008.04.20
福音の射程
2008.04.27
信仰の父アブラハム
2008.05.04
神の約束に生きる
2008.05.11
ここに水があります
2008.05.18
信仰によって強められ
2008.05.25
今の恵み
2008.06.01
聖霊によって、神の愛が
2008.06.08
あなたがたは、決して信じない
2008.06.15
まことの神であり、まことの人
2008.06.22
神の怒りからの救い
2008.06.29
向きを変えて、行きなさい
2008.07.06
神を喜びを誇る
2008.07.13
良くなりたいか
2008.07.20
罪が死をもたらす
2008.07.27
恵みの豊かさ
2008.08.03
恵みが支配する
2008.08.10
新しい命に生きる
2008.08.17
驚いてはならない
2008.08.24
神に属すること
2008.08.31
主と一体になって
2008.09.07
神に生きる
2008.09.14
あなたたちが救われるために
2008.09.21
自分自身を神に献げよ
2008.09.28
自由と服従
2008.10.05
賜物としての永遠の命
2008.10.12
あなたの中にある光
2008.10.19
新しい生き方
2008.10.26
この人たちに食べさせる
2008.11.2
わたしたちの本国
2008.11.9
恐れることはない
2008.11.16
父なる神さま
2008.11.23
永遠の命に至る食べ物
2008.11.30
神に背負われて行く道
2008.12.7
罪が掟を利用し
2008.12.14
天から降ってきたパン
2008.12.21
主キリストのご降誕
2008.12.28
聖なる律法
2009.01.04
罪の正体
2009.01.11
命を与える霊
2009.01.18
撃ち破られてはならない
2009.01.25
惨めさからの救い
2009.02.01
主キリストに結ばれて
2009.02.08
備えられている時
2009.02.15
人となられた神の御子
2009.02.22
霊の思いは命と平和
2009.03.01
アッバ、父よ
2009.03.08
真実な人
2009.03.15
苦しみと栄光
2009.03.22
さあ、立ち上がりなさい
2009.03.29
虚無と希望