HOME | 説教 | 説教(2009年度) | 神のご計画への信頼

神のご計画への信頼

説教要旨(12月6日 朝礼拝)
民数記 申命記 第15章 17~21節
ローマの信徒への手紙 第11章 13~16節
倉橋康夫

 パウロは改めて、<わたしは異邦人のための使徒であるので、自分の務めを光栄に思います。>、と確認します。その上ですぐ、<何とかして自分の同胞にねたみを起こさせ、その幾人かでも救いたいのです。>、と言います。パウロは自分の異邦人への福音伝道が、自分の同胞・ユダヤ人の救いにも役立つと考えています。異邦人が主キリストの福音を受け入れ、神の祝福の許に喜んで生きる姿を見て、ユダヤ人たちが妬み・羨み、自分もその祝福を得たいと願うようになる。これが「神のご計画」であることは、前段で確認したところです。
 パウロはここで、<幾人かでも救いたい>、と言います。切実なパウロの気持ちです。それは、主キリストの福音の素晴らしさを、愛する同胞に何とか伝えたい、ということです。主キリストの福音によって救われた者の善意です。素晴らしい物を得た時、愛する者とそれを分かち合いたいと願う気持ちに通じます。
 そこでパウロは、<世界の和解>について語ります。<彼らの捨てられること>が、<世界の和解>となる、と言います。ユダヤ人が捨てられることとは、11節12節で語られていた、ユダヤ人の躓きと考えて良いでしょう。ユダヤ人の躓きが異邦人に救いを齎すものとなり、<世の富>となるとありました。それを、ここで改めて、<彼らの捨てられることが、世界の和解となる>、と言い直します。
 ユダヤ人には、神に選ばれた民という民族的な誇りがありました。けれども、彼らは傲慢となり、主キリストを十字架につけるという事態を惹き起こしました。しかし、この出来事によって、改めて神の恵みと憐れみにすがるように、と促しを受けることとなりました。一方異邦人は、神の恵みも憐れみも知らずに生きてきた人々です。彼らは、主の十字架と復活の出来事に出会って、初めて罪を悔い、赦しを求めるようになります。このように、主キリストの出来事は、ユダヤ人と異邦人の区別なく、全ての人々の神に対する驕り、高ぶりを打ち砕き、神の恵みと憐れみの許へと招くのです。
 ところが、肝腎のユダヤ人は福音を拒んでいる。しかしユダヤ人の中から、主キリストの福音を信じる者が起こされると、神の救いのご計画がいよいよ完成へと向かいます。<彼らが受け入れられるということは、死者の中からの命でなくて何でしょう。>、と言います。死んだ状態から、命へと移されるということです。
 そこでパウロは、旧約聖書からのイメージを引用します。併せて読んだ民数記 第15章17節以下です。パウロは、ここから得たイメージを、<麦の初穂が聖なるものであれば、練り粉全体がそうであり、・・・>、と言います。<献納物>とあるのを、<聖なるもの>と言い換えたのです。神への<献納物>は聖別されるからです。初物の麦粉で作ったものの一部を神に捧げると、それは聖なるものとされ、更に収穫した麦粉全体が聖なるものと認められることになる、と言うのです。
 主キリストの福音を信じ、神に受け入れられたユダヤ人たちは、その民族全体を神に執り成す立場に置かれます。私たち日本人のキリスト者も同じです。いずれにしても、ここでパウロは、神の救いのご計画が完成に向かって確実に進められていく、と言いたいのです。ユダヤ人たちが除外されることはなく、日本人も除外されません。
 全ての人々に福音の招きは与えられ、呼び集められて、救いは完成するからです。私たちの歩みは極めて不安定なものです。けれども、神のご計画は変わりません。私たちは、この神のご計画に信頼して生きるのです。私たちの信仰の歩みの確かさは、神のご計画に根拠を持っています。私たちに信仰を与え、その歩みを始めさせて下さった神は、それを全うさせて下さるのです。
 

説教一覧(2009年度)

2009.04.05
聖霊の執り成し
2009.04.12
主キリストは復活された
2009.04.19
わたしは知っている
2009.04.26
万事が益となる
2009.05.03
栄光への歩み
2009.05.10
渇いている人
2009.05.17
神が味方
2009.05.24
神の愛に結ばれて
2009.05.31
聖霊を受けた人々
2009.06.07
輝かしい勝利
2009.06.14
もう罪を犯してはならない
2009.06.21
永遠の命を受ける
2009.06.28
あなたの手に渡す
2009.07.05
わたしの確信
2009.07.12
わたしに従う者
2009.07.19
悲しみと痛みの中から
2009.07.26
神の言葉は貫かれる
2009.08.02
神の憐れみによって
2009.08.09
真実なる裁き
2009.08.16
我々はその時
2009.08.23
神に造られた器
2009.08.30
信仰による義
2009.09.06
神の義によって
2009.09.13
あなたたちは自由になる
2009.09.20
心で信じて、口で言い表し
2009.09.27
誇りは増し加わる
2009.10.04
信仰は聞くことから
2009.10.11
神の言葉を聞く者
2009.10.18
神はその民を見捨てられない
2009.10.25
人々の先頭に立って渡る
2009.11.01
勝利を賜る神
2009.11.08
決して死なない
2009.11.15
真実の言葉を話す
2009.11.22
躓きから救いへ
2009.11.29
聞かれない祈り
2009.12.06
神のご計画への信頼
2009.12.13
神の業が現れる(文書なし)
2009.12.20
神の愛が現れた
2010.01.03
神の秘められた計画
2010.01.10
あの人をどう思うか
2010.01.17
今日も生きている
2010.01.24
栄光が神に永遠に
2010.01.31
神の憐れみによる勧め
2010.02.07
なすべき礼拝
2010.02.14
正直に答えなさい
2010.02.21
心を新たにし
2010.02.28
己れを知る
2010.03.07
一つの体の部分として
2010.03.14
わたしに従いなさい
2010.03.21
賜物を生かす
2010.03.28
勇気をもって雄々しく