HOME | 説教 | 説教(2009年度) | 神の憐れみによる勧め

神の憐れみによる勧め

説教要旨( 1月31日 朝礼拝)
イザヤ書 第44章 1~5節
ローマの信徒への手紙 第12章 1~2節
倉橋康夫

 本日から、ロマ書 第12章に入りますが、冒頭に、<こういうわけで、兄弟たち、神の憐れみによってあなたがたに勧めます。>、と述べられています。<こういうわけで>とは、これまで語ってきたことに基づいて、つまり神の救いのみ業に基づいて、ということです。神が、独り子、主イエス・キリストの十字架の死(と復活)によって、信じる者に永遠の命への救いを与えて下さったこと(ヨハネ3 : 16)を指しています。
 パウロはこれまで、ただ信仰によって救われる、という点を力説してきました。救いに入れられるために、人間に求められることは、信仰以外には何もない、と言うのです。しかし、救われた者は、救われた者としての生き方があります。キリスト者として、日々の生活において、何を言い表すのか、が大切です。本日の聖書の文脈で言うなら、「神の憐れみを受けた人間である」ことを言い表す、と言って良いでしょう。
 併せて読んだ、イザヤ書 第44章に、神の憐れみを受ける者たちの喜びと幸いが言い表されています。ここには、神の約束が告げられています。主なる神は、イスラエルの民を見捨てることなく、養い、祝福を与える、と言うのです。そして、そのように神の憐れみを受けた民は、<「イスラエル」をその名とする。>、と言います。「イスラエル」は、神が支配する、神は支配者、の意味であり、神のご支配の下にあることを喜び・感謝する者のことです。<「わたしは主もの」>と告白するのです。
 ところで、パウロはここで、改めて<兄弟たち>と呼びかけています。教会で、兄弟姉妹と呼び合う意味の中心は、第8章29節にあったように、主イエス・キリストを長子とする兄弟姉妹である、という点にあります。主イエス・キリストの救いに結び合わされた兄弟姉妹である、ということです。言わば、神の憐れみによって兄弟姉妹とされたのです。エフェソ書に、<神の家族>(2 : 21)とあるように、神の許に呼び集められた共同体ということであって、神に向かって全身全霊を注ぐ家族、兄弟姉妹ということです。従って、それは何よりも、礼拝する群れ、礼拝共同体と言って良いでしょう。それが、「神の憐れみを受けた人間」の群れの在り方、と言えます。
 ところで、ここでパウロの言う、<神の憐れみ>とは、神の憐れみ深さのことです。第11章で語られた<憐れみ>という字は、憐れみそのもの、赦し、助け、救いという意味合いを持っていますが、ここでは別の字を用いて、神の憐れみ深さに基づいて勧める、と言うのです。私たちを赦し、救いに入れて下さる憐れみの下に、私たちを見守り、深い配慮をもって導いて下さる憐れみの深さです。この神の憐れみ深さを抜きにして、勧めだけが語られることはあり得ません。キリスト者の生活は、常に神の憐れみに支えられ、導かれるものだからです。だから、パウロは、<神の憐れみによってあなたがたに勧めます>、と言うのです。
 「勧める」という字は、誰かを傍近くに呼び、親しく語り、味方となる、という意味で用いられるものです。そのように勧め・励ますものを、それは聖霊である、と主イエスは教えられました(ヨハネ14 : 26)。新共同訳では、この字を<弁護者>と訳していますが、口語訳では、<助け主>と訳しました。また「慰め主」と訳すこともできます。つまり、この<勧めます>という言葉を、「慰めます」と置き換えても良いのです。「神の憐れみによる勧め」は、「神の憐れみによる慰め」なのです。
 そこでパウロは、自分を神に献げる生活をしなさい、言います。神の憐れみを受け、神の憐れみ深さの下に生きる時、神に用いられる生活こそ喜びであり、慰めだからです。神の憐れみの下に、慰めに満ちた生活、救われた者の喜びを証しする生活を、共々に進めて参りたいものです。
 

説教一覧(2009年度)

2009.04.05
聖霊の執り成し
2009.04.12
主キリストは復活された
2009.04.19
わたしは知っている
2009.04.26
万事が益となる
2009.05.03
栄光への歩み
2009.05.10
渇いている人
2009.05.17
神が味方
2009.05.24
神の愛に結ばれて
2009.05.31
聖霊を受けた人々
2009.06.07
輝かしい勝利
2009.06.14
もう罪を犯してはならない
2009.06.21
永遠の命を受ける
2009.06.28
あなたの手に渡す
2009.07.05
わたしの確信
2009.07.12
わたしに従う者
2009.07.19
悲しみと痛みの中から
2009.07.26
神の言葉は貫かれる
2009.08.02
神の憐れみによって
2009.08.09
真実なる裁き
2009.08.16
我々はその時
2009.08.23
神に造られた器
2009.08.30
信仰による義
2009.09.06
神の義によって
2009.09.13
あなたたちは自由になる
2009.09.20
心で信じて、口で言い表し
2009.09.27
誇りは増し加わる
2009.10.04
信仰は聞くことから
2009.10.11
神の言葉を聞く者
2009.10.18
神はその民を見捨てられない
2009.10.25
人々の先頭に立って渡る
2009.11.01
勝利を賜る神
2009.11.08
決して死なない
2009.11.15
真実の言葉を話す
2009.11.22
躓きから救いへ
2009.11.29
聞かれない祈り
2009.12.06
神のご計画への信頼
2009.12.13
神の業が現れる(文書なし)
2009.12.20
神の愛が現れた
2010.01.03
神の秘められた計画
2010.01.10
あの人をどう思うか
2010.01.17
今日も生きている
2010.01.24
栄光が神に永遠に
2010.01.31
神の憐れみによる勧め
2010.02.07
なすべき礼拝
2010.02.14
正直に答えなさい
2010.02.21
心を新たにし
2010.02.28
己れを知る
2010.03.07
一つの体の部分として
2010.03.14
わたしに従いなさい
2010.03.21
賜物を生かす
2010.03.28
勇気をもって雄々しく