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自分自身を知る

説教要旨(11月21日 朝礼拝 教会学校との合同礼拝)
ローマの信徒への手紙 第3章 9~18節
倉橋康夫

 今日の説教題は、「自分自身を知る」です。私たちは、自分のことをどう思っているでしょうか。聖書には、<では、どうなのか。わたしたちには優れた点があるのでしょうか。全くありません。>、とあります。

  1.  私たち人間に、優れた点があるか? 私たち人間には、優れた点があるか、と言われると、どう答えるでしょうか。他人(ひと) と較べて、優しいとか、親切とか、と言うことができるかも知れません。けれども、神さまからご覧になったら、どうでしょうか。神のお心を痛めるようなことをしてしまっている、と聖書は教えます。そのことを、私たち人間は皆<罪の下にある>、と言います。「罪」とは、神さまに背くこと、神さまから離れることです。 だから、続いて直ぐに、次のように言うのです。<「正しい者はいない。1人もいない。/悟る者もなく、/神を探し求める者もいない。>、と。
  2.  正しい者はいない。悟る者もなく、神を探し求める者もいない。本当に正しい人は、1人もいないと言います。神に背いて、神から離れようとする人間は、正しい人とは言えないからです。また、神さまを探し求める者もいない、と言います。このように、神さまからご覧になったら、本当に正しいと言える人間は、どこにもいない、と言うしかないのです。そこで、<善を行う者はいない。/ただの1人もいない。>、と言います。
  3.  善を行う者はいない。神さまに背き、神さまから離れようとする人は、<善を行う>ことができなくなってしまうのです。善を行うとは、言葉に気をつけて、他人(ひと) を傷つけたりしないことであり、行いに気をつけて、乱暴をしない、争いを起こさないことです。けれども、そのように善を行う人はいない、と言います。善を行う人が1人もいない世界とは、人々は、互いに傷つけ合い、争いの絶えないことになってしまいます。聖書は、<彼らは平和の道を知らない>、と言うのです。私たち人間にとって、「平和」は最も大事なものです。平和とは、みんなが仲良く、協力し合って生きることです。そして、神さまとの平和もあります。神さまとの平和とは、神さまの祝福に入れられることです。ところが、人間は皆、平和の道を知らない、忘れてしまっている、と言います。そこには、人間の世界の悲惨・惨めさが現れるだけです。最後に、このように人間の世界が悲惨なものになってしまったのは、どうしてかについて次のように言います。<彼らの目には神への畏れがない。」>、と。
  4.  彼らの目には神への畏れがない私たち人間にとって、神を真に畏れることが重要だ、と言うのです。

 
私たちが、これらのことを良く知ることが大切です。「自分自身を知る」とは、神さまからご覧になって、自分がどんなに自分勝手かを、良く知ることです。けれども、神さまは人間が惨めなままでいることを望まれず、私たちを惨めさと罪から救い出すために、愛する独り子・イエスさまを送って下さいました。イエスさまは、その神さまの愛を示すために、この世に来られたのです。
 だから、私たちが、「自分自身を知る」とは、自分が神に背いてしまうことを知ることですが、更に、イエスさまによって救いに入れられていることを知ることでもあるのです。そのようにして、私たちは神さまの愛と恵みを知り、神さまに感謝し、讃美するようになります。私たちは、このイエスさまをしっかり見つめ、神さまの愛と恵みにお応えする日々を送りたい、と思います。
 

説教一覧(2010年度)

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2010.05.09
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2010.08.01
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2010.08.08
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2010.11.21
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2010.11.28
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