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使徒たちとともに

説教要旨(8月28日朝礼拝より)
使徒言行録 6:1-7
伝道師 山下瑞音

 本日の聖書箇所は、2000年前に誕生したばかりの教会の姿が描かれている箇所です。四章の終わりでは、一番最初の教会は、財産を共有してお互いに助け合う共同体、大きな家族のような集団だったと書かれています。しかし本日の聖書箇所で、この誕生したばかりの教会は一つの問題に直面することになります。それは、違いを持つ者同士の対立という問題でした。当時の教会には、イスラエルで生まれ育ったヘブライ語を話す人々と、外国からやってきたギリシア語を話す人々がいました。その間で対立が起こったのです。
 ある聖書の解説書には、非常に美しく、また力強い出発をした初代教会が、すぐに内部対立を起こしてしまったということは、とても残念なことであると書いてあります。自分のことを棚に上げて、相手を裁くことで、神様によって建てられた美しい共同体を壊してしまう。ここに人間の醜さ、罪深さがあるというのです。しかし、対立することは悪いことである、そこに人間の醜さや罪深さが表れているという考えについては、大きな間違いであると言わざるをえません。対立することは、悪いことではありません。なぜなら、ここで描かれている教会の姿、対立が生まれ、苦情が噴出し、改善要求がされる教会の姿は、ごく自然でそして極めて健全な教会の姿だからです。
 私たちには違いがあります。そして違いがあるということは、それぞれの物の見方があるということです。それぞれの物の見方があるということは、たくさんの意見があるということ、そしてたくさんの意見があるということは、対立や議論が生まれるということです。ですから、対立や意見の違いがあるということは、私たちの教会にとって、とても自然なことなのです。ですから、この聖書個所は、ギリシア語を話す人々とヘブライ語を話す人々の間に、違いがあることが悪いことなのだと言っている訳ではありません。対立が起こることの中に、人間の罪深さを見ているわけでもありません。ここで語られているのは、違いを持つ私たちが、その違いを乗り越えてゆくには、どうすればよいのかということなのです。使徒たちはここで問題を解決するにあたって、神の言葉と祈ることを第一に優先しました。それは、神の言葉こそが、私たちの違いを超えることが出来るからです。
 生きるということは、神様とともに歩むということです。このことは、神の言葉でしか知ることは出来ません。そしてこの事実によって、私たちは人間同士の違いに気を取られるのではなく、神様に目を向けて、同じ方向へと向かってゆくことが出来るようになるのです。事実、初代の教会は問題を乗り越えることが出来ました。神の言葉によって、初代教会は対立を乗り越え、より完成された大きな集団へと成長していきました。そしてこの私たちの富士見町教会へと至るまで、世々の教会はいつも対立や分裂を、神の言葉によって乗り越えてきたのです。これこそが、教会のあるべき姿です。常に一つの意見にまとまっていて対立が起こらないのが、正しい教会の姿ではありません。対立があっても、それを神の言葉によって乗り越えてゆく。それこそが教会の正しい姿に他なりません。そして神の言葉を聞くことが出来るのは、教会だけなのです。そして、神の言葉を人々に伝えることが出来るのは、神のもとに集う私たちだけです。使徒たちが最も重んじたもの、御言葉の奉仕は私たちにゆだねられているのです。
 ですから、いかに違いがあろうとも、それによって対立が起ころうとも、私たちもまた使徒たちとともに、神の言葉によって大いに問題を乗り越えてゆこうではありませんか。
 

説教一覧(2016年度)

2016.4.3
誰の言葉を聞くのか
2016.4.10
消えていく
2016.4.17
信じて、願え
2016.4.24
立ち上がって、行きなさい
2016.5.1
神の国は来ている
2016.5.8
遣わされて生きる
2016.5.15
神の子とする霊
2016.5.22
主が来られる時
2016.5.29
謙遜をかさねて
2016.6.5
ほうっておけない神
2016.6.12
主よ、あなたしかいません
2016.6.19
ただ、いただくだけです
2016.7.3
主イエスの行く道
2016.7.10
あなたの信仰があなたを救った
2016.7.17
救いは訪れる
2016.7.24
小事を生かせ
2016.7.31
終末からこの世を見る
2016.8.7
主の御用のために
2016.8.14
訪れて来る神
2016.8.21
天からの権威
2016.8.28
使徒たちとともに
2016.9.4
神無き世を越えて
2016.9.11
神のものは神に
2016.9.18
神学論争の終わり
2016.9.25
メシアはダビデの子
2016.10.2朝礼拝
主のまなざし
2016.10.2夕礼拝
主イエスの言葉を思い出して
2016.10.16
終末のしるし
2016.10.23
解放の時は近い
2016.10.30
ゆるして自由になりなさい
2016.11.6
主の言葉は滅びず
2016.11.13
本当に大切なこと
2016.11.20
豊かに実を結ぶ
2016.11.27
新人類が現れた
2016.12.4
人間のたくらみ、神の備え
2016.12.11
宿命を超える主の愛
2016.12.18
必ず実現すること
2016.12.25
その名はインマヌエル
2017.1.1
あなたを造る聖書
2017.1.8
王は裸で踊る
2017.1.15
神無き死
2017.1.22
闇の支配
2017.1.29
発光するあなた
2017.2.5
主のまなざし
2017.2.12
神の子、イエス・キリスト
2017.2.19
イエスの沈黙
2017.2.26
衆愚の叫び
2017.3.5
どちらが憐れか
2017.3.12
あざ笑われるメシア
2017.3.19
主の愛の深さを知らされて
2017.3.26
闇の中の光