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天使のメッセージ

説教要旨(7月6日朝礼拝)
ルカによる福音書 2:8-20
牧師 藤盛勇紀

 「天使は時間的、空間的な限界を知らない」とある神学者が言いました。天使は神のメッセージを伝えるためには、私たちがいつ、どこに居ようと、あらゆる限界を超えて、必ず近づいてきます。その力と意志を表そうとしたのが、あの翼なのでしょう。
 「今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである」。天使は、「あなたがたのために」と言います。これを聞いた「あなたがた」とは、どんな人たちだったのでしょうか。救い主を真剣に待ち望んでいた人? 信仰深く生きていた人? 天使のメッセージを理解する力や宗教性を持っていた人たち? 違います。そういうことは全く問題にされていません。
 聞く方には何の用意もなければ資格もない。しかしそんなことはお構いなしです。天使は突然、藪から棒に、救い主誕生のメッセージを告げます。せっかちに、必要なことだけさっさと告げます。「あなたがたは、布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子を見つけるであろう。これがあなたがたへのしるしである」。
 これが「しるし」だとは、奇妙な話です。「ちょと待って」と言いたい。救い主が「乳飲み子」、しかも家畜のえさ箱の中に寝かされている。これはどう見ても、貧しさの極みとしか思えないしるしです。いったい誰が、こんな救い主の誕生の姿を想像するでしょうか。まして、それをどうしたら信じられるというのでしょうか。
 ところが、あの羊飼いたちにとっては、これが「しるし」となりました。「飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子」、なぜこれが救い主のしるしとなり得たのでしょうか。その答えは、羊飼いたち自身の言葉にあると思います。彼らは言います、「さあ、ベツレヘムへ行こう。主が知らせて下さったその出来事を見ようではないか」。ここに、すでに生き方が変えられつつある羊飼いたちの姿があります。彼らは、天使のメッセージを聞いて、「どうせそんなこと」「どうせ俺たちは」と膝を抱えたままでなく、立ち上がって歩き始めた、翻って生き始めたのです。
 彼らが羊たちと野宿していたところは、おそらくベツレヘム郊外の荒れ野です。ベツレヘムの街までは、そんなに遠い距離ではなかったでしょう。しかしながら、この距離は、決して小さいものではなかったはずです。彼らの生活は、年中、四六時中、羊と一緒です。街で暮らす人たちと同じようには生活できません。会堂で礼拝もできない。律法も守れない。だから、自分たちは神から離れてしまった者だ、恵みから漏れてしまった者だという恐れをもっていました。
 そんな彼らに、天使は「恐れるな」と告げるのです。「あなたがたのために」救い主がお生まれになった」と。あのベツレヘムの馬小屋も、寂しく冷たく暗い場所で、ほとんど誰にも気づかれない所だったけれども、神が救いの出来事を起して下さった場所とされました。そして神は、その新しい出来事の起っている世界に、「さあ、来て見なさい」と、天使を遣わして呼びかけておられるのです。
 神はすでに私たちに必要な救いの恵みを与えてくださいました。しるしも与えられています。この知らせを聞いて、「さあ、行こう」、「その出来事を見ようではないか」と、翻って生き始める人は幸いです。
 救われて生きる人、恵まれて生きる人は、神のメッセージをただ聞くだけの人ではありません。自分自身に与えられ、語られたのですから、自分で行くのです。与えられたしるしへと、私たちもそこに向かって、「行く」人生でなければなりません。そのように、神の恵みに向かって、翻って応えて行く。それが本当の人間の姿なのです。
 

説教一覧(2014年度)

2014.6.1
目を留めてくださる神
2014.6.8
地の果てに至るまで
2014.6.15
新しい喜び
2014.6.22
あなたを訪ねる王
2014.6.29
「できれば」と言うのか
2014.7.6
天使のメッセージ
2014.7.13
あなたはどこにいるのか
2014.7.20
今こそ、安らかに
2014.7.27
私のいるべき場所
2014.8.3
主の道を整えよ
2014.8.10
洗礼を受ける主
2014.8.17
主よ、しかし
2014.824
神に至る道
2014.8.31
誘惑と戦う武器
2014.9.7
実現する聖書の言葉
2014.9.14
実を結ぶ神の言葉
2014.9.21
力あるみ言葉
2014.9.28
町々を巡る主イエス
2014.10.5
み言葉が差し込む
2014.10.12
疲れた者に力を
2014.10.19
大胆に主に近づこう
2014.10.26
罪人を招く主
2014.11.2
もう泣かなくてよい
2014.11.9
右の手を取ってくださる主
2014.11.16
新しい喜び
2014.11.23
命に与る安息日
2014.11.30
主イエスの祈り
2014.12.7
幸いなるかな
2014.12.14
マリアの救い
2014.12.21
見よ、救いのしるしを
2014.12.28
地に届く天の光
2015.1.4
その方の星を見よ
2015.1.13
神の子とする霊
2015.1.18
心に逆らう愛
2015.1.25
主イエスを信じなさい
2015.2.1
土台の上に建てる
2015.2.8
痛みを伴う愛
2015.2.15
ただ一言に賭ける
2015.2.22
来たるべき方が来た
2015.3.1
歌え、神の国の歌を
2015.3.8
主イエスの言葉を思い出して
2015.03.15
安心して行きなさい
2015.3.22
主に仕える旅
2015.3.29
神の国の秘密