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実現する聖書の言葉

説教要旨(9月7日朝礼拝より)
ルカによる福音書 4:14-30
牧師 藤盛勇紀

 主イエスの伝道活動の開始です。いつものようにいつもの会堂で、主は「聖書を朗読しようとしてお立ちになった」。朗読されたのはイザヤ書61章の言葉。新共同訳聖書では「貧しい者への福音」という小見出しが付いています。福音と呼ぶにふさわしい、美しく喜ばしい言葉です。
 そして主イエスは「この聖書の言葉は、今日、あなたがたが耳にしたとき、実現した」と言われました。この良い知らせ、福音を伝える者は、まさにこの私なのだと。
 主イエスの言葉を聞いた人々は皆「イエスをほめ、その口から出る恵み深い言葉に驚い」たとあります。ところが、すぐに怪しんで言いました。「この人はヨセフの子ではないか」。彼らは驚きながらも不思議だったのです。「あの大工ヨセフのせがれのイエスではないか。子供の頃からその辺で遊んでいたイエスだ」「あのイエスのことなら、赤ん坊の頃から知っとる」。
 「こいつが誰かは知っている。もう分かっている」と、自分の理解に捕らわれて、いま実現している神の言葉に耳を閉ざし、心を閉ざしてしまう。そして、その人々の間に、恐るべき事実が明らかとなってしまいました。彼らは、イエスを殺してやると息巻いて、礼拝を終えたのです。何ということでしょうか。
 しかし、このナザレの会堂で起こった出来事は、私たちにも起こり得ることです。聖書が解き明かされ、それが分かり、感動したのです。けっこうなことです。あのナザレの会堂にいた人々もそうでした。でもそれでは、生ける神の言葉を聴いたことにはならないのです。
 主が読まれた聖書の後半は、こうです。「主がわたしを遣わされたのは、捕らわれている人に解放を、目の見えない人に視力の回復を告げ、圧迫されている人を自由にし、主の恵みの年を告げるためである」。
 これが「今日、あなたがたが耳にしたとき、実現した」のに、彼らはその御言葉の事実から、自ら出て行ってしまいました。だから彼らは、自分たちが貧しい者、捕らわれている者、目の見えない者であることを認められなかった。だから、捕らわれたまま、見えないまま、貧しいままなのです。
 彼らが特別悪い連中だったということではありません。ある意味、彼らがそうなるのも無理もないところもあります。なぜならば、彼らに向かって語っている人は、「ナザレの人イエス」だからです。「ヨセフのせがれのイエス」。ここで赤ん坊の時から今30歳になるまで育ってきた、紛れもない一人の人間です。だから、故郷で敬われないのは不思議ではありません。
 「イエス様が直々に聖書を解き明かしておられるのに、どうしてこうなってしまうのか」と思われるでしょう。たしかにそうです。しかし、神の御子が、これほどまでに本当に人となられた、ということこそ驚くべきことではないでしょうか。
 お里が知れてると言うか、「なんであんなヨセフのせがれに」と思われるような、紛れもない一人の人間となってしまわれたのです。そこに、神の深い憐れみを見ます。真の神が、このように真の人となられた。だからこそこのお方は、人の罪を負って、十字架への道を行くことがおできになるのです。
 聖書は、このような「人となられた神」を、その憐れみ深い愛を証ししています。この聖書が分かるということは、聖書の知識が増えたとか、感動したということではなくて、聖書の言葉が私たちのうちに実現するということです。私たち自身が、神の言葉に働かれる神の霊、聖霊に言い逆らわないで、神の言葉そのもの、福音そのものであるキリストに触れられ、憐れまれ、罪赦され、自由にされて、その恵みの中で神をほめたたえることです。
 

説教一覧(2014年度)

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2014.7.6
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