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来たるべき方が来た

説教要旨(2月22日朝礼拝より)
ルカによる福音書 7:18-23
牧師 藤盛勇紀

 ヨハネはいま牢獄の中ですが、主イエスのお働きについて、弟子たちを通して詳しく報告を聞いていました。なのに、なぜヨハネは改めて尋ねさせたのでしょうか。「来るべき方は、あなたでしょうか」。
 ヨハネはこの世の王の権力の前に露と消えていくかもしれない。だからこそ、真の王、救い主ご自身から、「確かにわたしだ」と言ってほしかったのではないでしょうか。そのお方ご自身のお言葉が欲しいのです。
 主イエスも、ヨハネの問いをしっかり受け止めてくださいました。「あなたがたが見たままのことを、見聞きしているそのままを、ヨハネに伝えなさい」。
 ところが、なぜか主イエスは、最後にこういうひと言を付け加えられました、「わたしにつまずかない人は幸いである」。
 「つまずき」というのは、キリスト者はしばしば耳にし口にもすることですが、「何の不安もなく信仰生活を歩んでいる」と本人も周囲も思っていた、まさに思いがけないところで、ふいに足をとられるようにつまずきます。一瞬の出来事です。
 つまずいた本人は、自分をつまずかせたものを恨みます。「なんでこんなことを」「どうしてあんな人が」と人の責任を問い、「あの人につまずいた」と言うのです。つまずいた本人は、もう自分の罪のことは目に入りません。それどころか、自分を憐れんで人を裁くのです。そして、「あの人につまずいた。あの人が悪い」という言葉で自分の罪を正当化してしまう。だから、つまずきは本当に恐ろしいのです。
 主イエスは、「わたしにつまずかない人は幸いである」と言われます。人が「つまずいた」と言うとき、実は、キリストにつまずいているのです。「なんでこんなものが」と怒り、「なんであんなクリスチャンがいるのか」「どうしてあんな人を許しているのか」と、結局は神を糾弾し、キリストを蹴飛ばしているのです。
 なぜそんなことが起こるのでしょうか。その人なりの救いのイメージが出来上がってしまっているからでしょう。「こうあるはずだ」「こうあるべきだろう」と。それに適わない救いや、それをかなえてくれない救い主には、我慢ならなくなるのです。
 それにしても、どうして主イエスはヨハネに警告なさったのでしょうか。ヨハネは確かに、主イエスの力ある御業について聞いています。しかし、ヨハネ自身は、捕らわれたままで、そこから救い出されるわけでもないのです。言わば「救いの無さ」の中に留め置かれて、あっけなく殺されます。
 もし、私たちがヨハネのような状況に置かれたとしたら、「どうしてこの私には何の助けも無いのか」「多くの人を救ったのに、この私を救ってくれないのか」と言いたくなるのでしょう。だから主は警告なさるのです。
 そして、本当のつまずきの危険は、さらにその先にあります。全ての人がつまずかずにはおれないつまずきです。それは主イエスの十字架です。救い主は十字架につけられたお方だ、ということです。救い主のお姿は何と、人からも神からも見捨てられたお姿になる。ここにつまずきがあります。
 しかし、「わたしにつまずかない人は幸いである」。このお言葉は、警告であると同時に、私たちへの招きでもあります。「あなたは今、苦しみの中にある。疑いたくなる試みを受けているかもしれない。人が羨ましく見える。あるいは、自分で作った救いのイメージと現実のギャップに苛立っている。自分が期待したものが得られない絶望感を味わう。しかし、『来るべきもの』はこの私なのだ。あなたには私が必要なのだ。私につまずかない人は幸いだ」。
 このお方に信頼するなら、その人には、主ご自身が来ておられ、主がその人を捕らえてくださっているのです。
 

説教一覧(2014年度)

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2014.6.8
地の果てに至るまで
2014.6.15
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2014.6.22
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2014.6.29
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2014.7.6
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2014.7.13
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2014.7.20
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2014.7.27
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2014.8.3
主の道を整えよ
2014.8.10
洗礼を受ける主
2014.8.17
主よ、しかし
2014.824
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2014.8.31
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町々を巡る主イエス
2014.10.5
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2014.11.30
主イエスの祈り
2014.12.7
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2014.12.14
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地に届く天の光
2015.1.4
その方の星を見よ
2015.1.13
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2015.1.18
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2015.1.25
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2015.2.1
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2015.2.8
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2015.2.15
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2015.2.22
来たるべき方が来た
2015.3.1
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2015.03.15
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2015.3.22
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2015.3.29
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