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町々を巡る主イエス

説教要旨(9月28日朝礼拝より)
ルカによる福音書 4:38-44
牧師 藤盛勇紀

 安息日の礼拝が終わり、皆それぞれ日常生活の場に帰って行きます。シモンの家では、しゅうとめが高い熱に苦しんでいます。人々が彼女のことを主イエスに頼んだので、イエス様はシモンの家に来てくださいました。主が病人の「枕もとに立って熱を叱りつけられると、熱は去り、彼女はすぐに起き上がって一同をもてなした」。
 力ある主の癒やしの業がなされたこの日も暮れます。すると「いろいろな病気で苦しむ者を抱えている人が皆、病人たちをイエスのもとに連れてきた」。ユダヤでは日没で一日が終わり、新しい日が始まります。人々は安息日の終わりを待っていました。
 週日の日常が始まる。そこにはいろいろなやっかいごとがあり、病があり悩みがあります。主はいつも大勢の群衆に囲まれていましたから、かなりの数の病人たちが連れて来られたでしょう。すでに日は暮れています。神の御子とはいえ身体をもった人。疲れていないはずはありません。しかし主は「一人一人に」手を置かれました。
 そのまま「朝に」。イエス様はようやく「人里離れた所へ出て行かれた」。ところが、群衆はすぐに捜し回って主イエスを見つけてしまいます。主が人里離れた所へ行かれたのは、祈るためです。なのに群衆は「自分たちから離れて行かないようにと、しきりに引き止めた」。なんと厚かましいのでしょうか。しかし、「どうかこの私も」「どうかうちの家族にも」と願うのも理解できます。人々は「もっと、もっと」「私にも、私にも」と要求しつづけます。
 しかし、イエス様はその願いを振り切るかのように離れて行かれます。まずは祈るために。そして、こう言われました、「ほかの町にも神の国の福音を告げ知らせなければならない。わたしはそのために遣わされたのだ」。
 イエス様が来られたのは、何のためでしょう。病人を癒しておられるのは何のためなのか。「神の国の福音を告げ知らせる」ためです。神の国とは「神の支配」です。私たちの日常は、病も悩みも尽きることはありません。その中に置かれている人にとっては、「神様は、私にはその手を伸べてくれないのか」「私には神の恵みがないのか」と思わされるのが日常でしょう。
 しかし、イエス様は、「そのあなたに神のご支配が、恵みが到来しているのだ」と告げ知らせるのです。ところが人は、「神はどこにいるのか」「いるなら、どう役立つのか」と考えます。神がいるならその神を利用したい、自分の要求に従わせたい。
 しかし、主イエスが告げ知らせられたのは「神の国」です。何より神の御心が支配することです。神の憐れみと恵みの御心が支配している、そこに生きることこそが、神に造られた私たち人間の本当の喜びとなり、本当の安息、本当の癒しでもあることを告げ知らせたのです。
 「福音を告げ知らせる」というは、「喜びを告げる」という言葉です。私たちの生活を神が支配しておられる、そこに生きることこそ、喜びだからです。だから主は、病気や悩む人々を残しておいても「ほかの町にも神の国の福音を告げ知らせなければならない」と言われます。
 私たちも、礼拝の場から出て、日常生活に戻れば、すぐに病や困難と出会います。癒しを願っているのに癒されないということだってあります。しかしそれは、神の恵みのご支配がないのではありません。たとえ肉体が病んでいても深く癒されている。単なる肉体の健康よりも、もっと健やかに生かされる、いや、死んでも生きる道が開かれています。主イエスが私たちの道となり、命となって、生きて働いておられるからです。だから、私たちも、主イエスと共に、「神の国の福音を告げ知らせなければならない」。その光栄ある生活に召されているのです。
 

説教一覧(2014年度)

2014.6.1
目を留めてくださる神
2014.6.8
地の果てに至るまで
2014.6.15
新しい喜び
2014.6.22
あなたを訪ねる王
2014.6.29
「できれば」と言うのか
2014.7.6
天使のメッセージ
2014.7.13
あなたはどこにいるのか
2014.7.20
今こそ、安らかに
2014.7.27
私のいるべき場所
2014.8.3
主の道を整えよ
2014.8.10
洗礼を受ける主
2014.8.17
主よ、しかし
2014.824
神に至る道
2014.8.31
誘惑と戦う武器
2014.9.7
実現する聖書の言葉
2014.9.14
実を結ぶ神の言葉
2014.9.21
力あるみ言葉
2014.9.28
町々を巡る主イエス
2014.10.5
み言葉が差し込む
2014.10.12
疲れた者に力を
2014.10.19
大胆に主に近づこう
2014.10.26
罪人を招く主
2014.11.2
もう泣かなくてよい
2014.11.9
右の手を取ってくださる主
2014.11.16
新しい喜び
2014.11.23
命に与る安息日
2014.11.30
主イエスの祈り
2014.12.7
幸いなるかな
2014.12.14
マリアの救い
2014.12.21
見よ、救いのしるしを
2014.12.28
地に届く天の光
2015.1.4
その方の星を見よ
2015.1.13
神の子とする霊
2015.1.18
心に逆らう愛
2015.1.25
主イエスを信じなさい
2015.2.1
土台の上に建てる
2015.2.8
痛みを伴う愛
2015.2.15
ただ一言に賭ける
2015.2.22
来たるべき方が来た
2015.3.1
歌え、神の国の歌を
2015.3.8
主イエスの言葉を思い出して
2015.03.15
安心して行きなさい
2015.3.22
主に仕える旅
2015.3.29
神の国の秘密