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私たちは神の子

説教要旨(11月17日 CSとの合同礼拝より)
ローマの信徒への手紙 8:12-17
牧師 藤盛勇紀

 今日は子供も大人も一緒に礼拝を献げていますが、子供とは誰でしょうか。今日の聖書にこうあります。「神の霊によって導かれる者は皆、神の子なのです」。神の霊・聖霊は目には見えませんが、私たちに働いてくださっています。霊とは息でもあり、風という意味もあります。息も風も目に見えませんが、風が吹いていることはすぐ分かります。神の霊も見えないけれども、そのお働きを見て分かります。聖霊は私たちの心に働いて、イエス様のことが分かるようにしてくださいます。
 5章にこうあります。「私たちに与えられた聖霊によって、神の愛が私たちの心に注がれているからです」。それはどんな愛か。「キリストは、わたしたちがまだ弱かったころ、定められた時に、不信心な者のために死んでくださった。…わたしたちがまだ罪人であったとき、キリストがわたしたちのために死んでくださったことにより、神はわたしたちに対する愛を示されました」。
 私たちが神様を知らず、「神なんかいない、いたとしても私には関係ない、神なんか」。そう思っていた時、神様はそんな不信心な私たちを愛して、私たちが受けるはずだった罰も呪いも全て、大切な独り子イエス様に負わせました。イエス様は、私たちが神の子として生きられるように、罰も呪いも引き受けて死んでくださったのです。
 イエス様のことが分かると神様のことが分かってきます。神様のことが分かると、自分のことが分かってきます。それが「神の霊によって導かれる者」です。神の霊に導かれて、「私も神の子」だと分かる。これ以上大きなことはありません。これ以上、幸いなことも、力強いこともありません。
 「私も神の子」、これが分かる時、気づく時が来ます。今日は小さな子供たちは、お母さんやお父さんと一緒です。「ママ、パパ」とか「お父ちゃん、お母ちゃん」と呼んでいます。その子に、「あなたと一緒にいる人、本当にあなたのお母さん?」なんて聞いたら、子供は戸惑うでしょう。その人が、なぜ本当のお母さんだと分かるのか。大人は、DNA鑑定などを考えるかもしれません。しかしそれは浅はかな考えです。何の証明がなくても、その子が「お父さん、お母さん」と呼ぶ人が本当の父母であることは、何の説明も証明も必要なく子供には分かります。
 子供は自分の母親が分かっている。それは神秘的、神聖でさえあります。しかし人間は、成長し自立して行くと、その神聖なものを失って行きます。誰でも反抗期を迎えますが、人間は神に背を向け反抗し、神を侮辱し無視して生き、死んで行きます。
 しかし神は、そんな人間を求め続けてくださいます。あなたに命を与えてくださった方があなたを求め、呼び続けておられます。最も大切な方を犠牲にし、あなたに愛の霊を注いで、あなたが命の神に立ち帰るよう呼びかけ、待っておられるのです。
 その神の霊の呼びかけに気づく時がきます。どんな時でしょう? 神は無理矢理あなたを振り向かせません。神の霊は愛の霊。だから待っておられます。その呼びかけに気づいた時には、自分の声や人の声やこの世の様々な声で消さないことです。
 「この霊によってわたしたちは、『アッバ、父よ』と呼ぶのです」。「アッバ」は、子供がお父さんを呼ぶ時の言葉。赤ちゃんも「アッバ」と言います。「パパ」と言ったのか「ママ」と言ったのか分からなくても、親はもう嬉しくて仕方ありません。
 イエス様も教えてくださいました。神に祈るときは「あなたの」父に、「アッバ」と言いなさいと。あなたが自分で神を呼ぶとき、神様は喜んでおられます。子であるあなたが、あなたの父を呼ぶのですから、格を好付ける必要はありません。「アッバ」でも「父よ」でも「お父様」でも、ただ「神様」でもいい。喜んで待っていてくださる神様に祈りましょう。
 

説教一覧(2019年度)

2019.4.7
神の愛の怒り
2019.4.14
正しい者は一人もいない
2019.4.21
私があなたと共に行く
2019.4.28
起きて神を呼べ
2019.5.5
行いによらず、恵みによって
2019.5.12
信仰によって現実を生きる
2019.5.19
イエスの血による贖い
2019.5.26
価を払わずに得よ
2019.6.2
父祖アブラハム
2019.6.9
聖霊の力を受けて
2019.6.16
神さまから与えられた家族
2019.6.23
主にある救い
2019.6.30
望み得ないときの望み
2019.7.7
希望は生まれる
2019.7.14
賛美の湧き出る泉
2019.7.21
神との和解
2019.7.28
罪人を愛する神
2019.8.4
神を誇る
2019.8.11
アンバランスな恵み
2019.8.18
恵みは満ちあふれる
2019.8.25
第二のスタート
2019.9.1
死から生きる
2019.9.8
上を見て生きる
2019.9.15
神から派遣されて
2019.9.22
賜物としての命
2019.9.29
きっぱりと捨てよう
2019.10.6
まず砕かれてこそ
2019.10.13 朝礼拝
土の器なれど
2019.10.13 夕礼拝
時が迫っているから
2019.10.20
絶望から生まれた信頼
2019.10.27
あなたの怒りは正しいか
2019.11.3
肉に死に、霊に生きる
2019.11.10
祈りの動機
2019.11.17
私たちは神の子
2019.11.24
神の子とされて
2019.12.1
神の子らよ現れよ
2019.12.8
祈れない時にも
2019.12.15
万事が益となる
2019.12.22
人となった神
2019.12.29
神の主権と深い愛
2020.1.5
神が味方ならば
2020.1.12
宿命をも破る主
2020.1.19
決して離さぬ愛
2020.1.26
神の友になりなさい
2020.2.2
愛されている確信
2020.2.9
主にあって
2020.2.16
同胞のための冒険
2020.2.23
血よりも濃く
2020.3.1
神の不思議な選び
2020.3.8
イエスを主とする仲間
2020.3.15
神の怒りと憐み
2020.3.22
生きて残された者
2020.3.29
救いは向こうから来る