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万事が益となる

説教要旨(12月15日 朝礼拝より)
ローマの信徒への手紙 8:28-30
牧師 藤盛勇紀

 一度しかない人生、やり直しがきかないから回り道はしたくないし、少しでも先を予め見通しておきたい。人はそう考えます。キリスト者の生き方は少し違います。人生の回り道は避けられないと知っているだけでなく、敢えて人生を中断しながら生きています。日曜日毎の礼拝がまさにそうです。あることの周到な準備をし、力を注ぎ、いよいよ佳境。そこで日曜日が来て、仕事を中断する。そのために、それまでの準備が無駄になるということもあります。しかし、主のためにやり直しや中断をさせられる人生は、決して無駄なのではありません。
 私たちは日曜日を「主の日」と呼びます。主イエスが私たちのために十字架についてくださり、日曜日に復活なさったからです。今生きている主が、私たちを死から解放し、神の命の内に移してくださって、今私は神の子・神の民として生かされているからです。主の日に礼拝を献げ、そこから遣わされる週日の生活の中でも主と交わるのも、私の人生の主は命の主なる神だからです。私は自分で存在しているのではなく、神が私を存在させ、命を与えられたので、私を最も深く知っていてくださいます。そして、神は私たちから片時も目を離されません。
 そこに、私たちの人生の悩みの究極的な慰めがありますし、新しい力があります。 私たちは自分の人生が今後どうなるのかは分かりません。世界がどう動いていくのか、見通すことはできません。明日がどうなるかも分かりません。でも、確かなことがあります。「神を愛する者たち、つまり、御計画に従って召された者たちには、万事が益となるように共に働くということを、わたしたちは知っています」。
 時に理解しがたい人生の回り道を強いられることがあります。恥を晒しながら進む、耐えがたい道行きが強いられます。それでも、《私の主なる神が、御計画のうちに万事を益としてくださる》という確信があり、慰めがあり、励ましがあります。それを味わいながら生かされている。それが、「知っている」ということです。
 回り道や中断の人生と言えば、何よりイエス様のご生涯こそ、そのような人生だったと言えます。最後まで愛し通した弟子たちから最後に裏切られ、何の罪もないまま人々から苦しめられ嘲りを受け、神から呪われた者として最も惨めな姿で死なれました。これ以上の惨めな失敗はない、これ以上無駄な人生はないと思われた最後でした。
 しかし、イエス様は十字架の上で父なる神に祈られました。「父よ。彼らをお赦しください。彼らは自分が何をしているのか分からないのです」。イエス様は「アッバ(お父ちゃん)」と父を呼びました。何の疑いもなく親を呼ぶ子を、人は殺すことなどできません。イエス様は「アッバ」と父を呼び、父は子の命を取り上げたのです。この御子の死のゆえに、私たちは神から見捨てられて死ぬことはないのです。《ここに愛がある》と聖書は語っています。
 少し先の32節にこうあります。「わたしたちすべてのために、その御子をさえ惜しまず死に渡された方は、御子と一緒にすべてのものをわたしたちに賜らないはずがありましょうか」。御子をさえ、くださったのです。すべてのものを私たちにくださらないなど、あろうはずがありません。この方と結ばれている限り、私たちはどんな人生の回り道にも絶望することはありません。どんな人生の中断によっても、無意味にされることはありません。どこからでも、一歩を踏み出していくことができます。 
 それを信じるから、私たちキリスト者は、週毎に生活を途中で断って、断然、主なる神の御前にまかり出るのです。キリストのもとには、断片的で回り道の人生をつないでくださっている神の愛と御計画があります。だから、この方と共にある人生をこそ、私たちは歩むべきなのです。

説教一覧(2019年度)

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