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信仰の目が開かれた

説教要旨(4月16日 朝礼拝より)
ルカによる福音書 24:1-12
牧師 藤盛勇紀

 直前に、「婦人たちは、安息日は掟にしたがって休んだ」とあります。イエス様が葬られた金曜日の夕刻は、安息日が始まる時でした。婦人たちは安息日が明ける週の初めの日の明け方を待って墓に急ぎました。
 婦人たちが墓に到着します。見ると、墓をふさいでいるはずの大きな石がわきに転がしてあります。すると、そこに二人の御使いが現れました。驚き恐れる婦人たちに、御使いたちは言います、「なぜ、生きておられる方を死者の中に捜すのか。あの方は、ここにはおられない」。あの方は生きておられる、「復活なさったのだ」、つまり、体をもって生きておられるというのです。
 突然そう言われても、にわかには信じられません。しかし、ルカは注意深く記して行きます。この婦人たちも、そしてイエスを裏切って逃げてしまった使徒たちも、他の大勢の弟子たちも、皆が同じ復活信仰に生き始めるまでのことです。
 ルカが記しているのは、《この婦人たちを含めて弟子たちには、主が生きておられるとの信仰が一気に生じたのではない》ということです。復活の主は弟子たちに対し、《主ご自身が語られたみ言葉》と《聖書に記されたみ言葉》すなわち聖書の全体を通して、信仰の目を開いてくださったのだと。
 御使いも言います、「まだガリラヤにおられたころ、お話になったことを思い出しなさい。人の子は必ず、罪人の手に渡され、十字架につけられ、三日目に復活することになっている、と言われたではないか」。「そこで、婦人たちはイエスの言葉を思い出した」。
 御使いが「思い出せ」と言った言葉の内容は、《主イエスは十字架につけられて死ぬこと、そして、復活すること》です。つまり、主はいま実際に生きておられること。それこそ実は、「聖書の全体にわたって書かれていること」(二七節)なのだと。それを、復活の主イエスご自身、弟子たちに親しくお教えになられたのです。
 思いもしなかったけれども、生きておられるイエスと出会ってしまった。その事実から御言葉を思い起こし、聖書に聴く。そこで弟子たちの信仰の目が、次第に開かれて行きました。何だかじれったいことのようにも感じられますが、ルカはそのあたりを丁寧に記しています。
 墓から帰った婦人たちは、弟子たちに一部始終を知らせます。ところが、それを聞いた使徒たちは、彼女たちの証言を「たわ言のように思われたので、婦人たちを信じなかった」といいます。「たわ言」とはひどい言葉ですが、無理もないことです。
 しかし、それでも、「ペトロは立ち上がって墓へ走り」ました。ペトロには、悔やんでも悔やみ切れない苦い思い出があります。つい数日前、イエス様が捕らえられた夜、ペトロはイエスのことなど知らないと、三度も繰り返し否んで、主を裏切りました。たとえイエス様と再会できたとしても、どの顔下げてお会いするのか。それでも、ペトロは真っ先に立ち上がって、墓へ走りました。そして、空っぽの墓をのぞきます。ところが、この場面では結局ペトロは、「この出来事に驚きながら家に帰って行った」というだけで終わる。イエス様は復活なさった、という信仰にまで至らないのです。ペトロだけでなく、他の弟子たちも皆、簡単に信じ込むような人間ではありません。私たちと同じ、ごくふつうの人間です。
 しかし、主ご自身が、そうした人間を造りかえてしまわれます。とうてい信じられない、たわ言としか思えないのに、主ご自身が分からせてくださるのです。
 聖書が「分かる」という経験があります。それは、聖書が証言している主は生きておられると分かるということです。イエスが生きておられる、このたわ言としか思えない事実が分かるのは、主の霊が直接私たち自身に働いて、証しておられるからです。
 

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