ホーム | 説教 | 説教(2017年度) | キリストが形づくられる

キリストが形づくられる

説教要旨(12月3日 朝礼拝より)
ガラテヤの信徒への手紙 4:12-20
牧師 藤盛勇紀

 ガラテヤの信徒への手紙を読んでいると、何度もはっとさせられる言葉に出くわします。今日の箇所でも、パウロの感情が直に表れている言葉が最後に出てきました。「あなたがたのことで途方に暮れている」と。
 「知ってのとおり、この前わたしは、体が弱くなったことがきっかけで、あなたがたに福音を告げ知らせました」と言うように、パウロは持病がきっかけでこの地に留まって伝道したようです。その時、「わたし(パウロ)の身には、あたたがたにとって試練ともなるようなことがあったのに」、ガラテヤの人たちは「さげすんだり、忌み嫌ったり」しなかった。それどころか「かえって、神の使いであるかのように、また、キリスト・イエスででもあるかのように、受け入れてくれ」たというのです。
 その時のことを思いながらパウロは、「あなたがたが味わっていた幸福は、いったいどこへ行ってしまったのか」と嘆きます。キリストによって罪赦され、神の子とされて生きる者の幸いをガラテヤの人たちも味わった。そこにキリストの教会が生まれた。キリストの恵みによって生きる人々の群れが生まれた。ところが、ガラテヤの信徒たちはまるでそのことを忘れてしまったかのように見える。それはいったいなぜなのか。
 17節に唐突に「あの者たちが」とあります。「あなたがたに対して熱心になる」人たちで、熱心によく働いてくれた人たちです。信仰的な指導をしたり、いろいろ世話をしてくれたり、熱心に働いてガラテヤの信徒たちの心をつかんでいたのでしょう。
 信仰生活は、思いがけない仕方で足下をすくわれることがあります。人間的な熱意や善意がかえって人を大事なことから引き離す誘惑になり、神の恵みによって与えられた救いが、何か人間の熱心さとか人間の善意に取って代わってしまう。「“霊”によって始めたのに、肉によって仕上げようとするのですか」(3:3)と言った危機です。
 この手紙には「救い」という言葉が出てきませんが、パウロは一から出直すかのように、キリストによる救いを説きます。「もう一度産もうと苦しんでいる」と言います。それは、「キリストがあなたがたの内に形づくられるまで」だと。
 パウロがキリストの形を作るわけではありません。キリストご自身が、信じる者たちのうちにご自身の形を取り、ご自分の姿を私たちの内に宿らせ、私たちを通してご自分を現してくださるということです。
 「形」で思い起こすのは、フィリピの信徒への手紙2:6以下の、「キリスト賛歌」と呼ばれ有名な御言葉です。そこで「神の身分」と訳されている言葉は、「形」と同じ言葉です。「神のかたち」であられる主イエスが「人間の姿」となられたという「姿」も「形」です。神のかたちであるお方が、人間のかたちとなられた。それが主イエスで、それが歴史の中で起こったクリスマスです。
 聖書の最初に語られているように、人は神のかたちに造られました。呼べば応えるような生きた関係があることです。親があって子であるように、妻があって夫であり得るように、互いに認め合い、呼び合い、愛を写す、人格的な関係です。
 ところが、人間は神に背を向けてその形を破壊してしまいました。人間は創造主からの離反によって、自分が何なのかが分からなくなってしまいました。自分を失い、真の命を失ったのです。その人間を神のかたちとして取り戻すために、神の独り子が、人間のかたちをとって生まれて下さいました。そして、ご自分の命を献げて、もう一度、私たちを神のかたちと命へと招いて下さっています。
 私たちはこのキリストに結ばれ、キリストが私たちの内に宿って下さって、命と愛の交わりが蘇らされるのです。そこに、神のかたちの回復があり、人間の本当の命があるのです。
 

説教一覧(2017年度)

2017.4.2
信仰への一歩
2017.4.9
主がお入り用なのです
2017.4.16
信仰の目が開かれた
2017.4.23
主は生きておられる
2017.4.30
見えるようになれ
2017.5.7
主と共なる食事
2017.5.14
命の声を聞き分ける
2017.5.21
心の目が開かれて
2017.5.28
人によらず、神により
2017.6.4
真理の霊が来る
2017.6.11
神の子らよ、生きよ
2017.6.18
今日、必要なもの
2017.6.25
虫の良すぎる話
2017.7.2
神による回心
2017.7.9
離散している人たち
2017.7.16
恵みの伝統
2017.7.23
まっすぐで自由な道
2017.7.30
歌いつつ死んでゆく
2017.8.6
私の内のキリスト
2017.8.13
信仰に賭ける
2017.8.20
新しく生まれた人間
2017.8.27
描き出された十字架
2017.9.3
祝福あれ
2017.9.10
凪になる
2017.9.17
約束は信じる人に
2017.9.24
あなたがたは神の子
2017.10.1
目に見えないヴィジョン
2017.10.8
一粒の麦が地に落ち
2017.10.15
神の相続人
2017.10.22
神を知る時
2017.10.29
いささかも疑わずに
2017.11.5
神の賜る命
2017.11.12
父と家
2017.11.19
イエス・キリストの名によって
2017.11.26
あなたがたは今は神の民
2017.12.3
キリストが形づくられる
2017.12.10
油を用意して待て
2017.12.17
喜べ、自由な者よ
2017.12.24
神はあなたの味方
2017.12.31
遠くまで、響かせて
2018.1.7
キリスト者の自由
2018.1.14
貧しさと豊かさと
2018.1.21
人生を導く霊
2018.1.28
重荷を軽やかに
2018.2.4
十字架による新創造
2018.2.11
恵みと平和の計画
2018.2.18
あなたは何を望むのか
2018.2.25
満ちている祝福
2018.3.4
開かれた奥義
2018.3.11
試練か誘惑か
2018.3.18
神の国の手付金
2018.3.25
心の目が開かれて






更新情報

2018.6.21

路の光 第771号

※閲覧にはパスワードが必要です。

2018.6.17

6/10朝礼拝「計り知れない富」

2018.6.10

6/3朝礼拝「知らされた計画」

2018.6.3

5/27朝礼拝「我らは神の住まい」