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恵みと平和の計画

説教要旨(2月11日 朝礼拝より)
エフェソの信徒への手紙 1:1-2
牧師 藤盛勇紀

 聖書というのは常に「今のこの私に語られる神の言葉」として聞かれるものです。いま私たちは、扉を開くように、生きた言葉を紐解きます。何が聞こえてくるでしょうか? 最初の短い挨拶の中に、パウロが語りたいことがすでに漏れ聞こえています。「神の御心によってキリスト・イエスの使徒とされたパウロから、エフェソにいる聖なる者たち」へ。型通りの挨拶ですが、何と麗しい力と慰めに満ちた言葉でしょうか。「聖なる者」とは、清く正しく美しい人たちのことではありません。もうどうしようもない困った人たちもいるかもしれないのです。実際、パウロはこの前のガラテヤの信徒への手紙では、「あなたたちにはもう呆れ果てた」という言葉から本文を書き始めました。しかし彼らも「聖なる者」、つまり神のものとして「区別され」「取り分けられている」のです。
 「神の御心によって…」と呼びかけるパウロの頭にはある思いがあります。極めて壮大で深遠な、神ご自身から来る御心です。人間的な言い方をすれば、御心にほだされ、意気に感じ、触発されて、その思いが発火しています。それは傍らで聞く私たちにも引火するのです。
 この手紙には「計画」という言葉が何度も出て来ます。神のご計画のなんと偉大で素晴らしいことか! パウロは、それをよく知ってほしくて仕方がありません。この神のヴィジョンを、信仰によって一緒に見ようではないか! それはすでに実現しつつある! それは、あなたを通して現れ出たくて仕方のない祝福なのだ、と知ってほしいのです。あなたも神のもの、聖なる者、恵まれた者、祝福された者なのです、と。
 しかし、人間とはそんなに幸せなものなんだろうかと思う人もあるでしょう。労苦や悩みばかりじゃないかと。ある人は、なんで俺はこうなんだと心の底で悔しい思いがして、石やガードレールを蹴飛ばすかもしれない。それが昂じて人を蹴飛ばし、生みの親を蹴飛ばすことになったら事件です。
 でも、天地万物造り存在させ、私たちに命を与えてくださった方を、人は蹴飛ばしているのではないでしょうか。「神なんかどこいる。いたとしても役立たずだ」と侮辱し、あるいは無視している。それで、どうして本当に意味ある人生、目的ある人生、希望があり慰めがあり、力ある人生が期待できるでしょうか。
 パウロは言います、「わたしたちの父である神と主イエス・キリストからの恵みと平和が、あなたがたにあるように」。これは、「あればいいですね」という単なる願いではありません。あるのです。聖なる者たち、イエスを信じる人たちよ、それが分かりますよね、と言いたいのです。言いたいこと伝えたいことがあるから、手紙を書いています。パウロは遣わされた「使徒」、神の「お使い」です。子供のお使いのように、使命感で充満しています。頭の中で伝えたいことを繰り返すように、パウロの思いも充満し、ほとばしり出ています。すでに恵みと平和に満たされているのです。どんな平和かというと神との間の平和。もう何のわだかまりもためらいもない、裏切りも期待外れもない、満たされた平安・シャーロームです。それが神の始めからの御心なのです。イエス・キリストを知り、信じるということは、この神からの平安と祝福で満たされた幸いが、実は世の始めからあった、ということが分かることなのです。
 私たちに必要なものの全て、命、祝福、幸いは、すでに恵みとしてあるのです。主イエスは、「私は戸口に立って、たたいている」、扉を開けるなら、私はあなたと一緒に食事をするのだと言われます(黙示録)。自分を開きさえすれば、「わたしたちの父である神と主イエス・キリストからの恵みと平和が私たちにある!」という世界がそこにあります。
 
 

説教一覧(2017年度)

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2017.4.9
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2017.5.7
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命の声を聞き分ける
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2017.5.28
人によらず、神により
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虫の良すぎる話
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